パーティにて

パーティ当日。


「朝ご飯できたよー」

「ありがとう。おねぇ、おにぃ」


 昨日の夜、七海は俺の家に泊まったので、朝ご飯からみんな一緒だった。朝ご飯を二人で一緒に作り食卓につく。


「「「いただきます」」」

「そういえば今日、おねぇ達パーティするんでしょ?」

「うん!やるよー!」

「一応言っておくけど、私は今日友達の家に泊まるからねー」

「え!?そうなの?一緒に楽しもうと思ってたのに…」

「ごめんねー。おにぃと二人で楽しんでね」

「そっかぁ…。残念だけど、京ちゃんも楽しんでね!」

「うん」


 そうして、朝ご飯を食べるとすぐに京は友達の家へ行ってしまった。

 残された二人はというと、


「ねぇぇ〜、あきとぉ〜」

「どうかした?」

「んふぅ〜。呼んでみただけ〜」

「そうか。七海?」

「ん?どしたの?」

「呼んでみただけ」

「おぉ〜?仕返しか〜?」


リビングのソファでいちゃついていた。


「今日、どうする?夜に色々買ったりして、パーティーするのは決まってるけど、昼間とか何する?」

「んふふ……。そう言うと思って、準備してきたのです!この映画を!」


 ジャジャーンと見せたその映画は今話題の恋愛映画だった。


「ホラーじゃなくていいのか?」

「いいのです!」


 少しからかってみてみたら食い気味で否定されてしまった。

 それから、昼飯も食べず、映画のおとものお菓子だけ食べて、映画をずっとみていた。見終わっても、その余韻でイチャイチャしていて、気づけば辺りが暗くなり始めていた。


「そろそろ、パーティーのご飯買うか」

「うん!宅配でいいよね?」

「うん」


 そうして、ピザやチキン、ポテトなど色々なものを頼んだ。


ピンポーン


 暫く待っていると、宅配がきた。


「俺が出るよ」

「ありがと!」


 玄関に行き、頼んだものを受けとる。

 それをリビングに持って行き、机に並べる。


「わぁ!美味しそう!」

「「いただきます!」」


 二人とも、ご馳走に目を輝かせて食べ始める。


「おいひい!」

「たしかにめちゃめちゃ美味いな」

「ほら、こっちのも美味しいよ!」

「おっ。じゃあ一口もらおうかな」

「はい、あーん」

「あーん。ん。美味しい」

「でしょー?」

「うん」


 そんな感じで楽しく食べていると、ご飯はすぐになくなってしまった。


「じゃあ、一旦落ち着いたしプレゼントを渡すね」

「じゃあ私のも今渡す!」


 そう言って俺は隠していたところから持ってきて、七海は自分の持ってきたバックの中からプレゼントを持ってくる。


「よし、じゃあ俺のからでいいか?」

「うん!」


 そうして俺はリングケースを開け、中にある指輪と別に用意したチェーンを渡した。


「これは、付き合って半年のプレゼントとしては少し重いかもしれないって迷ったんだけど、これからもずっと一緒にいたいっていう想いを込めて選びました。チェーンは、チェーンがあれば普段使いしやすいかなって」


 七海はポカーンと目を開けながら少しの間固まると、目に少し涙を溜めて涙を流すのを堪えるように、


「…。つけてくれる…?」

「うん。…いいよ」


 そうして、俺は左手の薬指に指輪をはめる。彼女は左手を胸に抱いて、ポロポロも涙を溢す。


「…ッ…。ありが…と。本当に嬉しい。大事にするね!」


 彼女は涙を拭い、見惚れるほどの笑顔でそう言ってくれた。


「それで、私のプレゼントはこれだよ!」


 そう言って、彼女はリングケースを取り出した。


「また、被っちゃったね。買う時に会わなくて良かった」

「あはは。ありがとう。本当に嬉しいよ。被ったのも通じ合っているみたいで」

「そっか!それなら良かった!」

「じゃあつけてくれる?」

「うん!」


 そう言って彼女は俺の左手の薬指に指輪をはめてくれる。すごい幸福感が溢れてきて、これが幸せかと自覚する。そして、その幸せの余韻を暫くの間二人だけで楽しんだ。その中で、


「そういえば、チェーンで首からかけるだけならいいのに、指輪のサイズ合ってたよね」

「あぁそれは、前に七海のお母さんに聞いてたんだ」

「だからお母さん、いきなり聞いてきたんだ」

「それをいうなら七海のプレゼントの指輪もピッタリだったよね」

「うん!京ちゃんに聞いといてもらったんだ!」

「いきなり聞かれた時はびっくりしたな」


二人は笑い合い、夜は更けていった。

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