親友の訪問にて


ピンポーン


 次の日の早朝。家のインターホンが鳴った。


「おにぃ〜?誰か来たよ〜、宅配かな?」

「あぁ、多分翔太だ」

「おにぃの友達?」

「うん、ちょっと行ってくる」

「は〜い」


ドアを開けると、


「よう!来たぞ!今日は根掘り葉掘り聞かせてもらうかんな」


そこには朝からハイテンションな翔太がいた。


「まぁ取り敢えず、中に入ってくれ」


 そう言って翔太をリビングに案内する。

 リビングに着くなり、翔太は京に気づいた。


「え?誰?この子」

「妹だ」

「どうも、おにぃの妹の日野京です」


京が挨拶する。すると翔太もそれに応じて挨拶をする。


「あ!どうも、明人の親友やってます。和泉翔太です」

「じゃあ、取り敢えず、そこらへんに座ってくれ」


 そういってテレビの前のソファに誘導する。


「えっと、妹さんいるけど、片瀬さんのこと聞いてもいいのか?」

「ん?あぁ大丈夫、こいつも全部知ってるから」

「じゃあ聞くぞ?」

「いやもうちょっと待ってくれ、あとちょっとで…」


ピンポーン


 またしても、家のインターホンが部屋に鳴り響いた。


「じゃあちょっと待っててくれ、すぐ戻る」


 そういって、玄関に向かう。玄関のドアを開けるとそこには予想通り、七海がいた。


「おはよう!あきと!もう和泉くんは来てるの?」 

「おはよう、七海。もう来てるぞ」

「もしかして私ちょっと遅れちゃった?」

「いや、あいつもさっき来たばっかだよ」

「ならよかった!」


 にぱっと笑顔を咲かせる七海。

 その後、俺たちはリビングに向かった。


「おはよう!京ちゃん」

「おはよ〜、おねぇ」

「和泉くんもおはよ」

「へ?お、おはようございます?」


 翔太は、首を傾げながら挨拶をした。あっ、こいつに七海が来ること言うの忘れてた。案の定、呆然としている。

 翔太は俺の方に近づいてきて、耳打ちをしてくる。


「おい、明人。なんで片瀬さんがここにいるんだ?」

「悪い、言ってなかった。俺が呼んだんだ。俺と七海の事を話すのに本人がいないと、始まらないだろ?」

「まぁ、いいけど」

「大丈夫、全部話すよ」


 俺たちはソファに向かい合う。みんなが座ると、隣に座っている七海が手を握ってくる。俺と七海は目を合わせて頷き合う。

 そして、俺は七海との過去を語り始めた。


「実は俺たちは去年から付き合ってたんだ」


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