　村人がゴブリンの襲（しゆう）撃（げき）に怯（おび）えている！

　人助けこそ冒険者の本分とばかりに、きみたちは急いで村へと向かった。

　きみたちは村人たちに歓（かん）迎（げい）され、さっそくゴブリンが巣を作っているという洞（どう）窟（くつ）へ討（とう）伐（ばつ）へと向かった。

　ゴブリンは小（こ）柄（がら）な人型の怪（かい）物（ぶつ）で、臆（おく）病（びよう）だが残（ざん）忍（にん）な性格をしているという。単体では大して脅（きよう）威（い）ではないが、基本的に群れを成し、数が多いほど攻撃的になる。

　そして、ゴブリンの群れはかなりの数だった。きっと、きみと同じ初心者ばかりのパーティならば、太刀（たち）打（う）ちできなかっただろう。

　幸い、ギステルドはベテランの冒険者で、ゴブリンについて熟知していたし、ジョーの鉄（てつ）壁（ぺき）の守りを突（とつ）破（ぱ）できるゴブリンもいなかった。タラサの魔法は強力で、次々と稲（いな）妻（ずま）や光の矢でゴブリンを撃（う）ち倒していく。

　数が多かったものだから、きみもただ見ているだけ、というわけにはいかなかった。きみも自分にできることを最大限に駆使し、ゴブリン退治に貢（こう）献（けん）できたのは幸いだった。

　きみたちはギルドに戻ると、冒険の成功を祝して乾杯する。

「ゴブリン死すべし！　見つけたら、即（そく）倒（たお）さないといけません！」

「あいつらはいくら退治しても、すぐに数が増えるからな。正面から戦ったら、数の暴力で中（ちゆう）堅（けん）冒（ぼう）険（けん）者（しや）でも危機に陥（おちい）ることがある。ちゃんと数を把（は）握（あく）し、分断して戦うのが──」

「魔法で一（いち）網（もう）打（だ）尽（じん）にすれば簡単ですわ～」

　仲間たちにも、それぞれゴブリン退治には思うところがあるらしい。

「いいか、ザコだと思って侮（あなど）っていたら、死ぬからな！」

　ギルドホールでの祝（しゆく）杯（はい）で気分が上がってきたのか、ギステルドに強く肩（かた）を叩（たた）かれる。

　初心忘るべからず──この日の経験を、きみは大切にしようと思うのだった。

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