鼓動のはやさでわかる事(上映)

夢ー


横田翁助よこたおうすけ


「小学生をレイプだってよ。男の子。母親ときてる。桜川やるか?」


「やるよ。」


「ショタコンって気持ち悪いよな」


「ああ」


自分の性癖に抗えずに、いたのだろう…。


判決後ー横田翁助よこたおうすけ


「桜川先生、やっぱり息子にバレました。」


「えっ?」


知っていた、冤罪などではない。


この人は、今回やっていなかっただけだ。


誰かにやっていた。


ニコニコ笑った。


「桜川先生の判断は、正しかったんですよ。私は、彼はやっていない。だけどね、まだ毛のはえそろっていない…………。快感ですよ。わかりますか?先生」


背筋が、ゾクッとした。


彼の言葉が頭の中に入ってこなかった。


「でもね、死ぬしかないよね。もう、出来ないから」


裁判で負けたから死んだのではない。


冤罪だから、死んだのではない。


子供に悪戯が出来なくなったから死んだのだ。



ガバッ…


「はぁ、はぁ、はぁ」


「先生、大丈夫ですか?すごい、汗ですよ。」


「大丈夫だ。」


「悪夢を見たのですか?」


「大丈夫だよ。央美君。少しだけ、抱き締めさせてくれ」


俺は、央美君を抱き締めた。


ごめんね。


お父さんを、有罪にしてしまって


「俺、先生がいるだけで幸せだよ。他には、何もいらないよ」


「央美君、俺が、君を必ず幸せにするから」


俺は、央美君をしっかりと抱き締めた。



三ヶ月後ー結婚式 bar蝶の集い


「はい、チーズ」


カシャ…。


「まさか、二人が結婚式あげるなんてね。央美君、よかったね。」


「はい」


「優、掃除の仕事してるって?」


「ああ」


「弁護士は、もうしないのか?」


「二度とやらないよ。」


「そうか」


「奏太を幸せにしてやって欲しい」


「わかってる」


俺は、彰の肩を叩いた。


「おめでとう、先生」


「阿久津君、ありがとう」


「僕も、彼氏が出来たんですよ。」


「あっ、葛城病院の先生」


「はい。阿久津君の彼になりました。」


「おめでとうございます。」


「ありがとう。桜川さんも、おめでとうございます。」


「ありがとうございます」


俺達は、奏太のお陰で結婚式をあげれた。


「おめでとう」


パンパン、パンパンとクラッカーを鳴らされた。


俺達の結婚式は、無事に終わった。


家に帰って、央美君を抱き締めた。


「央美君」


「式をあげれても、俺達は一生、二人だよ。それでもいいの?先生」


「いいに決まってるよ。俺は、央美君といる人生だけが全てだよ。他には、何もいらないよ」


「俺も、先生を愛してるよ。」


鼓動の速さでわかる、央美君を愛してる事


鼓動の速さでわかる、先生を愛してる事


これから先の未来も二人で生きていきたい


央美君の為に、この鼓動を鳴らし続けたい。


先生の為に、この鼓動を鳴らし続けたい。


「愛してるよ、央美」


「愛してるよ、優」


優しく、長い口づけをした。


降り注ぐ、優しくて、甘い甘い愛。


もう、手放したくない。


どんな未来が待っていても、俺達は、ずっと一緒だ。


エンドロールが流れて、映画は終わった。


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