迎えと映画
私は、シャワーを浴びて服を着替えた。
髪の毛を乾かしながら、先生役の吉宮凛を見れる事にワクワクしていた。
吉宮凛は、私の世界を救ってくれた。
不器用ながらも、不妊に向き合う悟の仕草や考え方は、私の胸を打った。
しかし、週刊誌には、こう書かれていた。
【吉宮凛、俳優生命の危機。ドラマ打ちきり決定。不妊の人を馬鹿にしてるとクレームの嵐】
そんなに、いけなかったのかな?
確かに、不妊治療中に浮気してたりしたけど…。
そんな人だって、世の中にいるんじゃないの?
悟が、特別じゃないよね?
治療で、追い詰められてく悟よかったんだけどな…。
髪を乾かしおえて、一つにまとめた。
ピンポーン
店長が、ちょうど迎えにきたようだった。
日焼け止めを塗って、家を出た。
「行きましょうか?」
「化粧バッチリするべきでしたか?」
「私もしてませんよ。普段の癖です」
「そうですよね」
私は、鍵を閉めて店長の車の助手席に乗った。
「楽しみですね」
「はい、すごく」
店長の車で、映画館についた。
「大宮さん、ポップコーン食べますか?」
「はい、食べます。」
「飲み物は?」
「ジンジャエールで。店長、チケット買ってきますね」
「はい、お願いします。」
私と店長は、バラけた。
チケットを買って、店長の所に行く。
「お手洗い行きましょうか?」
「はい、私持ってますよ。」
「お願いします。」
交代で、店長とお手洗いに行った。
結婚するまでは、友達と映画に行ったり、コンサート行ってたな。
節ちゃんと、特に行ってた。
「どうしました?」
「いえ」
「始まるので、行きましょう」
「はい」
店長と映画を観に行く。
【鼓動の速さでわかる事】は、平日の昼間なのにたくさんの人が座っていた。
先生と央美君のすれ違いストーリーに、みんな泣いていた。
そして、予告でよく声だけ一部流れていたシーンがやってきた。
「式をあげれても、俺達は一生、二人だよ。それでもいいの?先生」
「いいに決まってるよ。俺は、央美君といる人生だけが全てだよ。他には、何もいらないよ」
「俺も、先生を愛してるよ。」
鼓動の速さでわかる、央美君を愛してる事
鼓動の速さでわかる、先生を愛してる事
エンドロールが流れて、映画は終わった。
映画館では、すすり泣いてる声がしていた。
私も泣いていた。
「終わりましたね。」
店長と二人で、スクリーンを出て歩きだす。
先生と央美君の映画館のシーンを思い出した。
ゴミを捨てる。
「泣いちゃいました。」
「私もです。」
「じれキュンって言うんですか、こういうの」
「そうだと思います」
店長もゴミを捨てている。
「パンフレット買いますか?」
「買います」
私は、店長に笑いかけた。
パンフレットを見に行く。
若い女の子達が、盛り上がってた。
「どうしよう、サイン入りコースターあるんだけど」
「本当だ。」
「買おうかな?」
「これも、欲しくない?」
「先生のボールペン、2500円高いよね。」
「エコバッグ、欲しいなー」
「ハート重なってて可愛い」
「こどはやの、ロゴってハート重なってる感じなんだね」
「何か、先生と央美君イメージだって」
「ってか、はやての央美君。マジ
、可愛すぎたわ」
「続編あったら、見たいよね。小説なったら読みたいぐらい。謎多かったよね?」
「わかる、わかる。」
「凛の、先生の破壊力やばかったよね。」
「わかる。」
「絶対、Blu-ray買う」
そう言って、女の子達は、盛り上がっている。
「こどはやの央美君の飲み物ジュースとノンアルとアルコール有りで出すらしいよ。」
「いついつ?」
「来週発売らしい」
「どこ情報?」
「はやてマネのsns」
「マジー。絶対買う」
私も、買いたい。
「パンフレット買わないですか?」
「買います」
そして、私は【鼓動の速さでわかる事】のグッズまでも買ってしまっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます