第14話 ゴブリンの群れ

ルーク「...........どうやら此処がゴブリンの巣のようだな」


ルーク達はゴブリンがいるとされているとある森の洞窟に向かっていた

すると、そこには見張りとして2体いた

更に見ると


マイ「見張りが交代している?」


洞窟の中にいるゴブリンが2体現れ外で待機しているゴブリンと交代していた。


ユキ「想像以上に知能がある.......」


見張りがいるとなると敵が此処に来る事を知っていて、他の仲間が危険に晒されないようにし、また洞窟の中にゴブリンに危険を知らせて罠や伏兵等、奴らが思いつく事をするのだ。


シャイン「中に何体いるか、確かめないとな」


いきなり襲い、中に入るのは馬鹿のする事だ先程もそうだが、ゴブリンには知能がある

下手な特攻は自分の寿命を減らす


ルーク「取り敢えず、アイツらを殺すか..........」す......


そう言ってルークは穴の空いた筒を口につけて


ルーク「ふっ!」ヒュン


ゴブリン「!?」バタン


ゴブリン「ギ!?」


ルーク「逃がすか!」ヒュン


ゴブリン「ガ.......」バタン


息を吹き込み、その中に入っていた針でゴブリン達を仕留めた


マイ「........凄い」


ルーク「吹き矢と言われる物だ、曲芸師として芸をやっていく時に習得した技だ」


そう言ってルークは吹き矢をしまい、当たりを見回す


ユキ「?.......ルーク行かないの?」


門番のゴブリンは仕留めた、ならもう攻めての良いのでは?そう思っているユキにルークが答える


ルーク「ゴブリンの倒れた音に気付いているかもしれない、その場合危ないのは俺達だ」


いくら自分達が強かろうと油断している人間はとても弱い、用心していても問題はないだろう。


数分が経ちゴブリン達が来ないのでどうやら気づいていないようだ


シャイン「ルーク」チャキ


ルーク「1人で行くな、4人で行くぞ」


シャイン「.............わかった」


洞窟中はダンジョンと同じ迷路となっている可能性がある、慎重に行くべきだろう。


そうやって俺達はゴブリンの巣に入っていった。


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ゴブリンの巣


マイ「ファイヤ!」ボッ


マイの魔法で木に火をつけて松明を作る、中は夜のように暗く何処から襲ってくかわからない状態だ................ところが


ユキ「!?..........明るい!?」


ある一定の距離を歩いているといきなり岩と岩との間に松明があり、ゴブリン達が使っているのであろうとても不規則に並んでいる


シャイン「..............これは」


シャインが前に出て確認する、すると


シャイン「!?そこか!」ヒュン


ゴブリン「ギャァ!?」ザシュッ


バタン


ルーク「抜け道........いや、これは」


暗くてよく見えなかったが、よーく目を凝らして見るともう1つの道があった


マイ「危なかった」


もしこのまま進んでいたら背後からも襲われて、全滅していただろう


ユキ「どうする?このまま行く?」


そう言ってユキは明るい方を指さす、暗い方は手を伸ばせばすぐに見えなくなるほど暗い、松明だけを頼りに行っても良いが、相手からは格好の的だ


ルーク「多分どっちにもゴブリンはいるが、暗い方は見た感じ少ないみたいだから、明るい方にゴブリンは多くいると思う」


シャイン「でも、何があるか、わからないから俺は後ろを見ながら進む、ルーク、先頭は頼んだ」


ルーク「わかった」


そう言ってルーク達は2つの道のうち明るい方に向かった


——————————————————————

洞窟中央部


ルーク達は洞窟の中央まで行き下に何かある事に気付く、するとそこはゴブリンの巣だった


ルーク「ここは...........」


マイ「広い...........」


ざっと2000匹はいるだろう、その姿に驚く


ユキ「まるでスラム街みたいね」


建物は布やボロ屋等、まるでスラム街のようになっていた


シャイン「しかし、ここまで繁殖しているとは.........」


ゴブリンは基本的 雄しかいない稀に雌も生まれるが、繁殖の為の道具になる為寿命は短いその為ゴブリンは人間を襲う

理由はわからないがゴブリンの精液は人間の女性を身籠せる事が出来るらしく、その為度々村を襲っては人間の女性を攫い犯すのだ

そして犯された女性から生まれるのは人間でも、ハーフでもなくゴブリンが生まれる

とある国ではそれを調べるためにわざと犯されに行く女性もいるらしい。

そして多分その過程で人間としての知能がつくのだろう


ルーク「皆.........」


ルークはマイ達に声をかける、その声は何故か悲しく聞こえる


マイ「何?ルーク?」


ルーク「今、ゴブリンはとてつもなく多くいる、このまま放置していると近隣の村や町、最悪の場合、王都にも来る可能性がある」


と区切り


ルーク「そして犯され、人間としての尊厳を失った彼女達はもう救えなくなってしまう」


ゴブリン達に蹂躙されそれでも生き残り助かった女性達は何人かいる.........


しかしその女性達の末路は2パターンしかない


1つ目は廃人と化す、人間としての尊厳を失い、全てに絶望し、生きる事をやめるのだ


2つ目は快楽に堕ちる、女性にも性欲はある、稀にゴブリンの繁殖行為の快楽に堕ち、自ら進んで犯される者達もいる、その者達は救われた後、性欲が満たせなくなり、娼婦や性奴隷、肉便器等に自ら進んでなってしまい

親や恋人等はそれを受け入れるしかないのだ


ルーク「だから、マイと俺でここを燃やす」


ここで食い止めなければここにいるマイ、ユキ、シャインもゴブリンに捕まった…いや、シンの妄想通りになる


ルーク「マイ..........いいな?」


マイ「............うん」


マイも覚悟を決める


ルーク「ユキとシャインは階段の方からと後ろを見てくれ」


マイ「わかった」


シャイン「了解」


後ろを任してルークは袋から液体を取り出す


マイ「それは?」


ルーク「火炎瓶に使う液体、これを」コポポポポ


液体を左右の階段に流す、それを1本ではなく、20本近く使った


ルーク「そして最後に!」ブンッ


火炎瓶を火をつけて投げる、ガチャンと音が聞こえたとともに火が広がる


ルーク「マイ!」


マイ「わかった!ファイヤ!!」


ルークの合図とともに火を放つ、そして階段にも火をつけて逃げ場をなくす


ゴブリンの断末魔があちこちで聞こえる、逃げるために階段に向かうが階段も火の海で完全に包囲された


ルーク(これで依頼完了だ)


ここに長くいると酸素がなくなり酸欠になり、ここにいるルーク達も命が危なくなる


ルーク「みんな、行くよ!」


そう言ってルーク達は急いでここから離れた


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あれから数十分が経ち、完全にゴブリンの巣は消し炭となった


ルーク「...........討伐完了だが、分かれ道のもう1つの方も行こう」


マイ「うん」


ユキ「祈りも終わったからいいよ」


シャイン「そうだな」


せめてゴブリン達が、漫画やアニメの様な真っ当な者になる事を祈る


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あの後もう1つの方に行ったらそこには何もいなかった、多分後ろを襲うだけに用意したのだろう


その後無事に帰って来て、ギルドに行くと受付の人に驚かれた、こんなにも早くクエストを完了した人は珍しいらしい


クエストを完了し報酬を貰ったが

その日は宿に泊まるだけで、食事はしなかった、多分食べたとしても吐くだけだった

あの死体の臭いを嗅いだら、美味しい物も不味くなる


そのかわり聖女のユキと共にあそこで死んだ者達の為に祈りを捧げた


あれが正しい選択なのかどうかはわからない、少なくとも今後襲われる筈だった彼女達の尊厳を守るためにやった事だとルークは思った


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今回の話は賛否両論あると思いますが、ご了承ください。

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