第10話 幼馴染みの過去3 シャイン

8年前(シャイン10歳)


シャイン「次に俺の友達に手を出したら、ただおかないぞ?」


村の子供「う.....うるせぇ!この!......男女!」


シャイン「あ?」


村の子供「ひ.....助けてぇ!」


そう言って村の子供は去って行った


女の子「あ.......ありがとう!」


シャイン「いや、女の子を守るのは、当然の事だ」


そう言うと周りにいた女の子達がきゃーと奇声をあげる


女の子1「やっぱりカッコいいなあシャインって」


女の子2「そうだよねえ、あーあ男子って何であんなに気持ち悪いのかしら」


女の子3「本当、男の子って子供だよねぇ」


女の子達「「「ねー!」」」


そう言って俺の周りに囲みながら色々な話をする


シャイン「じゃあ、俺はもう行くよ、それじゃ!」


そう言って俺はその場から去る


——————————————————————

村の近くの河川敷


シャイン「はあはあはあはあ」


やっと着いて、呼吸を整える、整え終わった後、いつものメンバーがそこで遊んでいた


ルーク「おりぁ!」ヒュン


マイ「てい!」ヒュン


ユキ「はあ!」ヒュン


石を川に向かって投げて水切りをしている


ユキとマイはすぐに沈むが、ルークは


ルーク「おっしゃあ!」


反対側まで行き喜んでいる、相変わらず彼はとても器用だ。


マイ「ぶー、次こそは勝つ!」


ユキ「僕だって負けないよ!」


マイとユキは何回も負けているのだろう、悔しい顔をしながら次こそはと意気込んでいる


シャイン(いたいた!)


シャイン「おーい!皆んな~!」


俺は手を振りながらルークの所に向かう


ルーク「お!シャイン!」


マイ「シャインちゃん!」


ユキ「やっと来た!」


皆んなは手を振りながら俺を手招きした


シャイン「ごめん!遅くなった!」


ルーク「いいよ、また女の子助けたんでしょ」


どうやらルークはわかっていたようで、納得した表情で話しかけて来た


マイ「相変わらず女の子にモテるねぇ」


ユキ「僕たちも女の子なんだけどね」


ルーク「え?そうなの?」


マイ.ユキ「あ?」


ルーク「すいませんでした」土下座


変わらない皆、いつもの日常、これ程までに楽しいと思った事はない


俺は見た目が男の子なのでよく間違えられていた


髪の毛も短いし、服装も男の子が着てそうな服だった(今もそうだけど)口調も別に直す気はない


そのせいで男の子からは男女(おとこおんな)と言われ馬鹿にされて来た、しかしそれで泣いて終わる俺ではなく、馬鹿にして来た奴らは全員ぶっ飛ばした、それを女の子達が俺をカッコいいと、言い始めて何故かモテるようになっていた


——————————————————————


ルーク達と出会ったのは女の子達からの話を聞いてからだ


ルークが女の子2人をいつもいじめているから助けてほしいと言うお願いを聞き、ルークを探した


ルークとは同じ孤児院だが、接点が今まで1回もなかった為、顔も知らない、そんな中どう探せばいいかわからず困っていると


マイ「ルーク♪ルーク♪ルーク♪」


ユキ「もう、そんなに急がなくても大丈夫だよ~」


2人がルークの所に行くと知ったので、こっそり後をつけることにした


シャイン(2人ってあの子達の事か?でもなんだ?いじめられているのか?)


とてもそうとは思えず、しかしそれが周りにバレないようにしている可能性もある為部屋まで尾行する


マイ「ルーク~遊びにきたよ!」ガチャ


ユキ「僕もいるよ!」


ルーク「早!まだ約束の時間までまだまだあるよ!」


マイ「暇だから!」


ユキ「来た!」


シャイン(.........どうなってるんだ?)


いじめられている人間が自らここまで行き、約束の時間よりも早く部屋に向かうだろうか?


不思議に思い、部屋の中を覗くと


シャイン(!?.........何これ!?)


中を見ると可愛いぬいぐるみ等が棚の中に入っていた、しかも一つや二つではなく、結構な数だ


シャイン(男の子なのになんで!?)


そうやって中を覗き続けると声が聞こえて来る


マイ「やっぱり可愛いなぁこれ!」


ユキ「うんうん僕もこれ大好き!」


ルーク「まぁ可愛いとは思うけど、そんなにか?」


2人の女の子がぬいぐるみを見て喜んでいる中、彼は不思議そうに見ている


俺はその光景を見て


シャイン(いいなぁ)


と、思ってしまった、見た目や口調は男の子だが、俺だって女の子だ可愛いぬいぐるみや人形だって欲しい、でも俺には似合わないだから無理なんだって思ってた

でも、等の男の子本人が持っているのを見るとやっぱり欲しいと思ってしまう、そしてその気の緩みからドアを開けてしまい3人に気づかれてしまった


ルーク「!?びっくりしたぁ」


マイ「なになに!?何事!?」


ユキ「って!君は確かシャインちゃん!」


3人も俺がいきなり現れた事でとても驚いている


ルーク「とりあえず、中入る?俺達に用があるんだろ?」


すぐに落ち着いたのか、ルークは俺を手招きする


シャイン「...........わかった」


取り敢えず、彼女達が言っていた事が本当なのか、聞いてみよう


ルーク「え?俺がマイ達をいじめているって?」


シャイン「ああ、だから俺はマイ達の後を追ってここで見ていたんだ」


マイ「ルークって意外とモテるから私達が仲良くしているのが嫌だったのかな?」


ユキ「ああ、それでルークが怪我で僕達と離れた時に介抱する優しい女の子の登場.......と?」


ルーク「もしそうだとしたら、ムカつくな」


どうやら、話を聞いている限りでは彼女達の話が嘘のようだ


俺は立ち上がり頭を下げた


シャイン「すまない、疑って悪かった!」


責められると思ったが、意外にも


ルーク「ああ、別に良いよ気にしてないし」


マイ「私も何もされてないしね」


ユキ「僕も良いかな?何かされてたら別だったけど」


すぐに許してくれた


これが俺とルーク達との出会いだった


それからちょくちょく此処に来て話をする様になった、時折俺がぬいぐるみを見ていると


ルーク「ほらよ」ポイ


シャイン「わわわ」キャッチ


ルーク「好きなんだろ?ぬいぐるみ」


図星を言われる、そして渡されたのは犬のぬいぐるみだった


シャイン「でも...........俺なんか似合わないよ」


ルーク「そうか?俺は似合うと思うぞ?」


マイ「私も似合うと思うよ」


ユキ「僕もそう思う」


そうやって言われた事がとても嬉しくてつい涙を流してしまった

皆んな焦っていたが、俺はギュッとぬいぐるみを抱きしめながら言った


シャイン「ありがとう」



——————————————————————

彼らと...............いや、ルークと一緒にいると本当の自分を出せる、勿論マイもユキも数少ない本当の友達だ


最初はルークとは男友達としての感覚だった

とても気が合うし、俺の気持ちに合わせてくれる、勿論ルークが違うもので遊びたかったらそっちにしたりもするが、兎に角ルークみたいに自分の本性を見せてもいつも通りに接してくれる、それが嬉しくて、楽しくて..................


気がついたら俺はルークを目で追っていた


彼とずっと側にいたい、彼と共に隣で同じ景色を見たいとそう思うようになった


それが恋だと気付くのにそれ程時間がかからなかった


だからこそ俺は髪を伸ばして服装もそれとなく変えてみた、周囲から何を言われようがルークに綺麗と似合っていると言われたらそれで良いのだ。


マイやユキには悪いが、この恋(勝負)負けるわけにはいかない、最後に勝つのはこの俺だ!


——————————————————————


続く

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