第12話 資格を取るために

「ダメよ。お母さんは反対だわ!?」


朝、母さんに防衛省のテストを受けるための同意書を持っていったらそう言われた。


「あなたがエリシュオンをやってることには目を瞑ってきたわ。さえ使わなければね。でも、NTGを目指すとなればいつか使わなければいけない場面が出てくるし、何よりお父さんの·····を忘れたの?」

「俺は俺の好きなように生きさせてもらう……育ててもらった恩を忘れた訳じゃないがもし、反対すると言うなら家を出てでも俺はNTGを目指すぞ。母さん……」


すると、母は「もういいわ」と言うと、仕事に出かけた。


俺は判子を勝手に戸棚からくすねると少し躊躇ちゅうちょする。


『いいか裕也?父さんと同じ道を歩む必要は無いぞ?お前にはお前の生き方がある』


そんな声が聞こえる。


俺は決心するとゆっくりと判子を押した。


▽△▽△▽△▽△


「判子貰えましたー!!」

「俺も貰ってきた……」


朝、学校へ行くとまず第一に書類を見せた。


「よしよし、これで試験を受けられるよ」


そう言って降谷は片目を瞑り、ウィンクした。


いちいち挙動がうざい。


「試験日はいつなんですか?!」

「ふふーん。明日の土曜日だよ!!」

「早いですね!?」

「大丈夫大丈夫!!進学校ここに入られるなら余裕だよ」

「なら、良かったです……」


そんなことを話してるとホームルームのチャイムがなった。

もうそんな時間になるのか……。


「それじゃあ、話は後でね」


そう言って話は切り上げられた。

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