第10話
カランカラン。
「友達連れてきたよー」
「いらっしゃい」
喫茶店の中に入ると天然パーマなのかモジャモジャ頭のおじさんが声をかけてきた。
「萌が友達連れてくるなんて初めてだな」
「友達、花ちゃんっていうんだけど、花ちゃんが魔法少女になったんだって」
「なんですとおおおお」
わたしの手をおじさんが触れている。ポワリと青白い光を発していた。
「んー、調べた感じだと魔力の素養はないようだから、魔法の力を誰かから継承したってことはなさそうだな、普通の人が精霊から力を貸してもらうなんて凄く珍しいことだよ、君は選ばれたんだ」
「ポポンに選ばれた……」
花は水晶を握った。
「継承なんてできるの?」
横から萌が信也に話しかける。
「まあ、素養がある人間にだけだけど」
「おじさんの魔法継承したら、あたし最強になっちゃうね」
信也は吹き出した。
「いやあ、たぶんそんなことしたら萌しんじゃうよ」
「えええ、なんで」
「それぞれ、許容できる魔法が違うからね、萌は俺の魔法に耐えられないよ」
「ふーん、それより花ちゃんだよ」
「そうだね、その力をくれた精霊はだせる?」
花はうんと言って、水晶に話しかけた。
ギュウウウウウン。
小さな精霊が現れた。
「こんにちは」
「こんにちはポポ」
「君はいったい何者なんだい?」
「知らないポポ」
「え」
「わからないポポ」
信也は何秒か固まって考える。
「とりあえず、むやみやたらに魔法を人前で使わないこと、いいかい?」
「はい」
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