第5話

見上げるとまるで怪獣のようだ。

 顔を近づけられ鼻息で吹き飛ばされた。

 花は尻餅をつく。

「もー」 

 アルデバランがまた顔を近づけてきたので手で押すと、アルデバランは後ろにごろりと転がった。

 花は自分の両手を見つめる。

「小さくなっても力は変わらないのかな……」

 試しにジャンプをしてみるとベッドの上まで軽々と上がることができた。

「わーい」

といいながら部屋中を小さい体でぴょんぴょんと跳ねる。

 そうやっている内にまた水晶がキラッと光った。

 アルデバランになっていた。

 部屋の中にポメラニアンが二匹。

「ワン!」

「ワン!」

二匹の犬は、お互いの尻尾を追いかけるようにぐるぐると回り合っている。

 一匹が部屋の外へ出た。

 それをもう一匹が追いかける。

 タタタタタタ。




 花の母親は料理をしていた。

 パン粉、牛乳、卵、ナツメグ、タマネギをみじん切りにして火を通した物、を一緒に混ぜたつなぎと肉と塩を混ぜた物とを混ぜ合わせる。形を形成して軽快なリズムで空氣を抜く。

 鉄のフライパンにバターをひいてからじっくり弱火で焼き上げる。

ジュウウ。

 焼き終えて、フライパンを水で流してタマネギを炒めてバターを加えてソースとケチャ

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