第41話 日笠と一緒にいざジムへ!③

「あ、もしかしてですが、運動時に女性からの視線が気になるといった話ですかね?」

「……え? どういう事ですか?」


 俺が男女比を聞いてニヤニヤと一人で笑っていたら、唐突に受付のお姉さんがそう言ってきた。


「あぁいえ、男性のお客様から入会前にそのような質問を頻繁に頂くものでして。 運動に集中したいんだけど、女性会員が多いと女性からの視線などが気になって運動に集中出来ないんじゃないか……という不安の質問をよく頂くものでして」

「あ、なるほど」


 今の俺は大人のお姉さんのトレーニングウェアを着て運動してる姿をめっちゃガン見してやろうって考えたんだけど……でもよく考えてみたらさ、こっちの世界だと逆に俺が女性に見られる立場になってるって事か。


(え?? つまり俺は視姦される対象になる……ってコト!?)


 何それえっちじゃん。 一向に構わないからじゃんじゃん視姦してくれよ。


 いやまぁでも男性会員は3割もいるんだから、別に俺一人が見られる立場になる訳じゃないか。 それだけ男性会員がいるんだからある程度は分散されるだろうな。 ちょっと残念。


「ですがご安心ください。 当ジムには男性専用ルームも完備してあります」

「えっ!? 男性専用ですか?」

「はい。 そちらの専用ルームは女性は立ち入り不可のスペースとなっておりますので、もし女性会員様からの視線が気になるという場合はそちらのルームを積極的に活用して頂ければなと思います」

「な、なるほど、男性専用ルームがあるんですね!」


 いやまさかそんなルームが完備されてるなんてな。 って、え? もしかしてだけどさ……こっちの世界だと男性専用の物が大量に増えてるんじゃね? 電車には男性専用車両とかもあるのかな?? 利用する事はないだろうけど普通に気になってくるわ。


「え、ちなみになんですけど、男性会員の方々は結構その専用ルームを使ってる感じですかね?」

「はい、そうですね、基本的に男性会員様はそちらの専用ルームを使用されてる方が多いですね」

「ほうほう、なるほどなるほど!」


 それじゃあ俺は男女共用の所にずっといておけば、大人のお姉さんからの視線は自然と俺に集まるって事だよな。 何それ楽しくなってきたじゃないか!


(あとはどうにかして大人のお姉さん達と仲良くなる方法を考えなきゃだなー)


 うーん、やっぱりそこが一番の問題だよな。 まぁでもこっちは逆転世界なんだし、運動器具の使い方がわからない空気を醸し出しておけば“教え魔お姉さん”みたいな人を釣れるんじゃね? いや知らんけどさ。


「あ、とりあえず記入は終わりました。 これで書くところは終わりですかね?」

「はい、記入ありがとうございます。 それでは会員証の発行に移りますね。 えー、まずは入会金として……」


 という事で俺の聞きたい事はあらかた聞けたので、俺はまた会員登録の作業に戻っていった。


◇◇◇◇


「はい、それではこちらが会員証となります。 当ジムに入館する際にはこの会員証が必要になりますので、ジムを利用する際には必ずこの会員証をご持参するようにしてください」

「はい、わかりました」

「それでは会員登録についてはこれで以上となります、ありがとうございました。 本日より当ジムのご利用は可能となりますが、本日からご利用されますか?」


 会員証を受け取ると、受付のお姉さんにそう尋ねられた。


「あ、はい、今日から利用してみようかなと思っています」


 日笠には今日からジムを利用してみようと言っておいたので、お互いにトレーニングウェアはちゃんと持ってきていた。


「はい、わかりました。 更衣室は受付を出てすぐそこにありますので、そちらの更衣室を利用してトレーニングウェアに着替えてください。 トレーニング施設は二階となっておりますので、着替えが終わりましたら、あちらの階段を昇って頂いてトレーニング施設の方に向かってください」

「はい、わかりました。 あ、そういえば今日は利用しないんですけど、プールを使う場合もすぐそこの更衣室で水着に着替えるんですか?」

「あぁ、いいえ。 温水プール施設は地下一階となっておりまして、プールを利用する場合はそちらの更衣室で着替えはせずに地下一階のにあるプール専用の更衣室をご利用ください」

「あ、なるほど。 はい、わかりました」


 簡単にまとめてみると、一階が受付と更衣室、二階がジム施設、地下一階が温水プールと水着専用の更衣室という感じか。 あとは男性専用ルームもあるらしいけど、まぁ俺は一生利用する気がないからそれが何処にあるのか確認はしなくていいや。


「もし器具の使い方がわからないなどがありましたら、お近くにいるスタッフに気軽に声をかけて頂ければお答えしますので、気軽に尋ねて頂ければなと思います。 それではいってらっしゃいませ」


 受付のお姉さんにそう言われて俺達は受付から後にした。


「よし、それじゃあ早速着替えて早速二階に行ってみようか」

「は、はい、わかりました! それじゃあ早速着替えてきますね」

「あぁ、わかった、それじゃあな」


 そう言ってお互いにそれぞれの別の更衣室へと移動していった。

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