一瞬の刹那

 何も残らない。

 何かを残したくて。

 何かがそこにあって。

 それが何か、分からなくて。

 残り物には何もなくて。

 だけどここには何もない。

 虚ろな空がそこにはあって。

 そこには誰もいやしない。

 肌に感じるのは日常で。

 世界の崩壊前が異常で。

 現実よりも夢が見たくて。

 だけど夢は何でもなくて。

 暗い闇の中に入りたい。

 高い空の上に登りたい。

 ここ以外のどこかに逃げたい。

 何故ならここには何もない。

 日常しかない。

 ほら、何もない。

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