かぐや

吸殻が小石の隙間に入り込んであちこちに落ちている河川敷で黄昏れるだけの時間に意味を見出そうとしてやめる。

カフェで隣の席だった人が泣いていたけれど何の感情も湧かなかったから私は冷たい人。

ゴミの回収日に寝過ごして山積みの空き缶に爪先が当たって崩れた時の音が大嫌い。

色素沈着と寝不足と血行不良のせいで目立って仕方がない目の隈に叩き込むコンシーラー。

ショッピングモールに新しく入った雑貨屋で私が死んだら一緒に燃やしてもらおうと買ったかすみ草のドライフラワーをその日に踏み潰して生きると決めた。

月に行っても君はいない。

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