線香花火
風に揺れ惑う火に抱いた親近感。人間みたいですねと言いかけた口が、音も立てないまま閉じる。誰よりも命を燃やして、灰にしてきてしまった人。線香花火に火をください、儚さを、ください。深夜に泣いた一塊の命と、微睡む満月。
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