Episode.2



 「横山、ぶつかっといて謝らず逆ギレって 嘲笑」

  「少し目立ってるからって

   調子ブッこいてんのかな」


 「栞のほうチラチラ見ちゃってさ 冷笑」

  「まさかの『自意識過剰』?…ウケる 嘲笑」

「人の悪口言ってると心までブサイクになるよ」

「あんなんにイチイチ反応するだけ時間の無駄」


 「・・・」「・・・」


「私、ランチは片瀬くんと約束してるんだ」

 「片瀬くんと!?」「片瀬くんと!?」


「そっ」


 「いつそんな約束したの!?」

「んー、こないだ急に向こうから声かけてきて?」


「正直、ああいうナルシには

 あんま興味ないんだけどね 笑」


 「・・・」「・・・」


「でも片瀬くん割と人気あるしぃ…

 ランチ代も浮くし」

「感じよければ、暫くお昼は

 一緒でもいいかなぁって」


  「どこ行くの?」


「『ルナ・クレシェンテ』」

 「すごっ」


  「予約取りにくいとこじゃん」


「でしょー!」

「私も初クレシェンテだから超楽しみ!」


             「じゃあとでね~!」


 「はーい」「いてらー」




            しーん…





「あーいいなぁ、イタリアン」

 「でもクレシェンテなんて片瀬くん、

  結構ガチじゃん」

「でもこないだまでミスコン2位と

 付き合ってたでしょ」

 「安定の『片瀬爆弾』が発動したみたいよ」


「3ヶ月だっけ…片瀬くんって目移りしやすいよね」

 「でもあの顔だもん、 3ヶ月でも

  幸せだろうなぁ…」


「安心して、真由美には

 一生お声はかかんないから 笑」

 「それは分かってるけど…

  改めて言われるとちょっとムカつく 笑」


「笑」



 「栞にも発動すんのかなぁ」


「どうなんだろ…」

「片瀬くんからって結構レアなパターンじゃない?」

 「だね」


「それに栞、女の私から見ても可愛いもん」

 「スタイルもいいし」

「見た目は完璧なんだけどね 笑」


「興味ある男の前だと頑張るんだよねぇ…

ムカつくくらいに 笑」

 「猫被るのうまいんだよね 笑」


「あれは『猫』じゃなくって『黒豹』!」

「男ってなんでそういうの見抜けないんだろね」

 「『黒ヒョウ』、、超ウケる 爆笑」

「女豹の栞が相手だと、

 スイッチがバカになんのかもね 笑」


 「でも…」

「ん?」


 「『げきちんする栞』ってのも見てみたい…」

「…確かに 笑」


 「でもそれよりもっと深刻なことが~!」

「ん?」


________________________

 マキマキさんがリツイート

 週刊ヒノデ芸能 @scoophinode・19時間前

 独占スクープ!!

 「神々の悪戯?!人気女優、真夜中のミサ?!」

 詳しくは明日発売のヒノデ芸能にて!

________________________



「何森遥架のじゃん、これがどしたの?」

 「この相手、『悠斗さま』らしいの…泣」

「うっそ!?マヂで!?」


 「これ、ウワサっぽいんだけど…

 でも「火のないところに」って言うでしょ?」

「でも『倉西ゆうと』って

 まだそんなに売れてないでしょ」

 「『私だけの』悠斗さまだったのにぃ…泣」


「あ!きっとあれじゃない?」

「事務所の意図的な、売名行為的なやつ?」

「何森遥架は…演技一筋!ってイメージあるし…」


「だからこれはデマよ!、デマ!」

 「でも、デマでも、これで一気に

 悠斗さまの知名度が上がっちゃうじゃない?」

 

「あ、そっか」

 「ああ~悠斗さまが遠くに行っちゃうぅ~」



「安心して、既に真由美からは遠い存在だから」

 「ええ~・・それは分かってても

  落ち込むぅ~・・・」


「はぁぁ・・」


「なんで男ってみんな、

『魔性の女』に弱いんだろ…」


 「悠斗さまぁ~…」


「今頃片瀬くんも、黒豹に

 すっかり騙されてんだろうなぁ」








「あんなとこにも猫ちゃんがいる~♡」


「やっぱり人気があるのもうなずける」

「小物とかふいんきとか全部おしゃれだもん」


 「決まった?」


「片瀬くんのオススメがいいなぁ♡」

「それでシェアしようよ♪」


 「…うーん」


 「じゃぁどれがいいかなぁ…

  駄目なものとかある?」

「ないよ♡」



 「じゃぁこれとかは?」

「ニンニクは駄目、匂い残っちゃうし」


 「だよね」


 「…じゃぁこれとか」

「あ、いいかもぉ~♪」


 「あとピザとサラダかなんか頼もっか」

「ピザならぁシンプルなのがいっかなぁ」

「サラダは~…あ!これとか!」


「あ、でも片瀬くんの好きなので全然構わないよ♡」

 「大丈夫だよ、んじゃ頼もっか」


 「すいませーん!」

「片瀬くん、優しい~♡」


「じゃぁ私ドリンク持ってくるね♪」

「片瀬くんはなに飲むぅ?」

 「…オレンジジュース、かな」


     「わかった! ちょっと待っててね♪」


 「ありがと」





         うげ~序盤で既にキツい…

         俺見てオーラが半端ない


       オレンジジュースて…こどもかよ!

       炭酸水とかさアイスコーヒーとか・・


             そう!

       ちょうどあそこにいる人みたいに!


         …割とカッコいいわね…


        清潔感あって優しそうだしぃ


      …いいなぁやっぱ大人の男のひとって




        「あのぉ…いいですか?それ」

            「あ!」

          「すいません 汗」


         「どうぞどうぞ」






 「なんかボーッとしてたけど大丈夫だった?」


       「うん大丈夫!」


「ちょっと考え事してただけだから♪」


 「そっ、ならよかった」


フツー「なんかあったの?」とか聞くだろ~



 「栞ちゃん、次の日曜って何してる?」

「ん?どうして?」


 「よかったらさ、映画でも一緒にどうかなぁって」


もう下の名前で呼ぶんだ 笑

しかももうデートて…がっつき過ぎ 笑


「日曜はまつエクの予約とか入れちゃってて…

あんま時間ないんだよね~、ごめん」

 「いいよいいよ、よかったらって感じだし」


「また別の時に誘ってくれると嬉しい、かな^^」

 「うん分かった」


「あ!きたきた!」


  「お待たせしました。」

  「アマトリチャーナと、

   マルゲリータになります。」

「わぁ、美味しそう~♡ 」


  「こちら、お取り皿にお使いください。」


 「あ、ちょっと待って」



 カシャ カシャ



・・・



 「…うん、大丈夫 」


 「どっちから食べよっか」


…何?私が取り分けるの?



「んじゃこっちから食べよ!」

 「うん」


「 片瀬くんはこれくらいでいい?」

 「うん」


「はい、どぉぞ♡」


 「ありがとう」


「いただきまーす!」




ちょっと…食べてるとこじっと見ないでよ…

俺見てオーラはもういいから…


「片瀬くんも、冷めちゃうよ」

 「うん、大丈夫」


何が大丈夫なんだろ… 意味わかんない 笑

せっかくの初クレシェンテだから、

食べるのに集中しよっと


「こっちももらうねっ!」

「!!…美味しい~♡」


このピザ、生地が超美味しい~

さすが人気店、ハマりそぅ


 「ねぇ、聞いてる?」


「…ん?」


「…あ!ごめ~ん! 」

「美味しくってつい夢中になっちゃってた♡」

 「それでね、その主人公が案外いいやつでさぁ…



・・・・



ちょーつまんない

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