　大学３年生の頃、何がやりたいのかもわからずにインターンに数社応募した。知名度のある大学に通っていたため、ほとんどのエントリーシートは通過した。インターンに行ってみると、嘘みたいにハキハキと発言する人や自分の意見を押し通す人を見て、冷めた気持ちになった。自分はこんな風にできる気がしない。嫌になっても、時間は過ぎない。チラチラと時計ばかりを気にしてしまう。

　あー、授業も出ずに、先輩からの過去問だけを頼りにしてる人はいったいどこにいったのだろうか。悪い気持ちが心を侵食していく。この人たちみたいに恋愛にうつつを抜かしていないし、授業にもゼミにも部活にも真面目に取り組んだから、マトモに過ごしているという自信はあった。

　だけど、違っていた。この人たちは僕の見えないところで、TOEICや就活の有利になるような資格を取得していた。僕は大して形に残ることは何もしてない。

　僕は自分が真面目すぎると感じた。いや、真面目だと思いたいのだと今になって思う。