カランコロン

3.14

笛吹人間

最近、救急車の音を聞くのが多い気がする。

夜、寝ているときに限ってその音で目を覚ます。外をちらりとみてみるがそこには、何もない。まるで夜の井戸のような静けさ。

そして、冷たさ。

僕は、またもう一度頭をまくらに戻し眠りにつく。


「ウォォォンン、ウウウウン」

眠りながら、寝ぼけたまま、少し考える。

これは、何の音だろうか、

バイクの音だろうか、それとも…、それとも…


「ピーポーピーポー…」

これは、何の音だろうか、

きっと救急車に違いない、それとも…、それとも…


「トゥルルルルラリラリラリラリラマリスラリミナル」

これは、何の音だろうか、

きっと…あれ…うん…、それとも…、って…

それだよね…それしかないよね…

僕は…

もう…

逃げられない…


どこかでまた小さな笛の音がした、。


「ま…て…」







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