異世界講座 前編
それじゃ、始めようかな。
まずは君も見たであろう『ステータス』についてだよ。
身体筋力は主に攻撃力、敏捷力、防御力に関係するステータスだよ。例えば、僕の身体筋力は110。攻撃力に換算されるのはそのうちの3分の2程度。敏捷に換算されるのは3分の1程度。防御力に換算されるのはそのうちのすべてだよ。
つまり110の身体筋力の僕の防御力は110。攻撃力は72程度。敏捷力は37程度、みたいな感じ。OKかな?
次は身体魔力について。
身体魔力は魔法攻撃の威力に関係するステータスなんだ。身体魔力10のファイヤと身体魔力11のファイヤだと雲泥の差があるほどこのステータスの優劣ははっきりと付くんだ。さらに、身体魔力は魔法攻撃に対しての耐久指数でもあるんだ。先の例だと10のファイヤを11の人が受けるとその威力は4分の3ぐらいに軽減されるみたいなね。まあ、とにかく上げて置いて損はないステータスかな?
「防御力で補えないんですか?」
いい質問だね。ぶっちゃけると、防御力でも補えるっちゃ補える。ただ、防御力で受けるときの軽減率は通常攻撃を受けるときの半分も満たない。だから、身体魔力を上げることはとても重要なことなんだ。
次は知識について…は、ないかな。勉強すればするほどあがるだけ。だしねぇ。
てなわけで飛ばさせていただいて。最後に身体効率についてはなそうか。
身体効率は簡単に言うと『器用さ』みたいなものだよ。例えば家事。例えば鍛冶。例えば農業。そんな感じの作業系の事をするのにとても重要になるね。高ければ高いほどなんでもできる。そういう解釈でいいよ。
さ、ここまでで何か質問は?
「あの、基礎ステータスは1000とかにならないんですか?」
おっと、その説明は今からしようと思ってたんだけど?
「…すんません」
じゃ、その話をしよっか。
多分、ヴァルも身体筋力は100ちょっとだったと思うんだけど、君が持ってる武器みたいにこの世界の装備品にはみんな基礎ステータスをプラスする効果を持ってるんだ。
例えば剣や防具なら身体筋力。
例えば魔導書なら身体魔力と知識。
そんな感じで、人の強さの大半は『武器の性能』と考えてもいい。武器が強ければ強いほど、その持ち主は強くなるって感じ。そんなふうに冒険者たちは自分のステータスを上げてるんだ。
「じゃあ、マスターの武器だと?」
ま、ざっと+10000ぐらいかな?
「……」
おいおい、そんな恐れた目をするなよ…。
と、とりあえず。冒険者のステータスはそんな感じで高くなるんだ。はい、ここまでで質問は?
…なさそうだね。じゃ、魔法について話そうか。
魔法はこの世界でかなり幅広く使われてるんだ。ほら、君の家の冷蔵庫とか
「冷蔵庫の話はしないでください。トラウマです」
…わ、分かった。
とにかく、そんな身近な便利なものにも魔法は使われるんだ。
それで、この魔法なんだけど、基本的には属性はないんだ。魔法は未知の力だけど、使う側の想像力。それとそれに釣り合うMPが必要なんだ。
例えば、こうしてここに水を浮かばせる想像をすると
「おお、水が浮かんでる…」
これを槍の形にする想像してMPを消費すると…
「!、ほ、本当に槍の形になった…」
ね?まあ、君のスキルならこんなの必要ないと思うけど、一応。
それと、この世界には基本魔法に縛りはないんだけど「基礎魔法」ってのがあるんだ。
基礎魔法はみんなが平等につかえる魔法で「ファイヤ」「アイスボール」「リーフカッター」「聖光」「ダークボール」の5つだ。まあ、どれもあんまり強くないから「ふ~ん」程度でいいけどね。
さて、ここまでで何か質問は?
「…いえ、特に」
じゃあ、この世界にある特殊な二種の魔法を教えてあげるよ。
「即死魔法」と「蘇生魔法」の二つをね。
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