危機一髪…?
「じゃあ305室ね。明日の9時までには鍵返してナ~」
「はい。ありがとうございます」
あれから気まずいで済むならどれほどよかったかわからない程地獄の空気の中、宿にたどり着いた。
「…あの、僕お金持ってないんですけど…」
「安心しろ。私がいる限りここは無料で使える」
「は、はあ…」
そう答えながら、完全に逃げ道がなくなったのを感じた。
「……ほんと、なんでもするので命だけは勘弁してください…」
「お前、男が女のステータスを開示することがどういうことかわかるか?」
急にそういわれ、回答に詰まった。
男が?女の?んなの言われても…。
「…まあ、われの前で言うのは、恥ずかしいかもしれんからな。いいとしよう」
「?」
おい、なんか別の方向でフラグ立ってないか?
「あ、あの俺」
「い、いやいいんだ!みなまで言わなくてよい…」
そう言いながら、服にかけ始めた手を思わず抑えようとするも
「ふっ!?う、動か、ない…!」
「君には驚かされたが…まあ、そんな君だからこそ。なんだろうな」
「いや何言ってんすか!?それ普通何年も旅してきた友達以上恋人未満の関係の時に言うやつでしょう!?」
「さあ…責任は」
「いや無理無理無理!早く…」
「“服を着て”!!!」
語句を強めたものの、
「え効かない!?」
「さあ…さあ…」
何で!?と考えた。そして、すぐにその答えは浮かんだ。
「MP!?」
MPが切れていたのだ。
「やべぇ、早く逃げねぇと!」
「ああ!待ちなさい!」
静止を聞かずにドアに手をかけるとガチャっと音が鳴るだけで。ドアノブが回らなかった。
「…えっ?」
「へへへ…さあ…始めますよ…」
「まっ…」
その時だった。
「ヴァルキリーさん!いるんでしょう!緊急です!出てきてください!!」
と先程の後ろにいた男たちが慌ただしくやってきた。
「…仕方ない。ここで少し待ってろ」
少し崩れた服を着直して、人生で一度も見たことないほどに真剣な目をして
「すぐにすましてくる《狩ってくる》」
そう言って出て行った。
「にしても…MPの増減なんて…」
見れるかな…?
「“MP開示”」
そう言うとウィンドウが目の前に現れた。
「うおっ!自分のMP開示にはMP使わないんかな…?」
そう思いながらウィンドウを見てみる。
“MP 0/50”
…あれ?MP増えてる気が…。
“MP 10/50”
ん?増えてない?
「ス、“ステータス開示”!」
“スズムラ ハイロ Lv,2
HP 1 MP 50
身体力量 50 身体魔力 130 知識 90 身体効率 43
メインスキル 言論統制 Lv,Max 放った言葉に代償を乗せることで言ったことを現実にしたり事象を操ったりすることが可能。代償は言葉の強さ、具現化の難易度によって変動します。
サブスキル 自決阻止
HPが1の時、代償を払う時に発動する。HPを払う代わりにMPを払う。それでも尚足りない場合、代償の支払いを中断する
抑制
使用MPが軽減される。
臨時鑑定
発動で鑑定したいもの、ステータスのおおよそを確認できる。
富豪の懐
アイテムをほぼ無限に保持できる。
再生力
HPとMPの回復が早くある。
バッドスキル 創造主の縛り HPが1で固定される”
「…いつの間に?」
確かにいつの間にかレベルアップしてることあるけど!こんなところまでRPG再現でええわ!
MPの方はいつの間にか全回復していた。
「便利すぎだろ…“開け”」
ドアを開けるとそこには
「どこに行こうというのだい?」
「あ…」
運命すら感じるほどばったりと出会ってしまった。やばいかも…。
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