第30話 新作ゲーム発表イベント

莉央との生配信は好評極まりないものであった。

そして、その配信の3日後に当たる今日、俺と莉央は新作ゲームの発表イベントへと招待されていた。


 以前の俺なら、この手のイベントには出席していなかった。

しかし、莉央と出会ってから色々と変わったと自分でも感じる。


「いやぁ、タカモリさんはこの手のイベントに出ないと伺っておりましたので、この度は出席して頂き、ありがとうございます」


 莉央と控室で待機していると、壮年の男が挨拶に来た。

俺と莉央はソファーから立ち上がる。


「いや、楽にしてください。私、スタートファンタジーの開発プロジェクトリーダーをしております、橘花と申します」


 そう言って、橘花さんは俺と莉央に名刺を手渡してくれる。


「頂戴します。高森です」

「夏目莉央と申します」


 スタートファンタジーはプロホプルと同じ会社、リュアーグが新しいく開発したスマホゲームである。

サラッと紹介動画を見た感じ、キャラ育成ゲームのようだ。


 様々な特色のキャラを育成して対人戦やストーリーを楽しむようになっているらしい。

特に、美少女キャラには力を入れているらしく、男性のファン獲得がメインになるのだろう。


「先ほど、紹介動画を見させてもらいましたが、結構、力入れているんですね」

「ええ、声優さんや絵師さん、他の開発担当も一流と呼べる人たちばかりで、本当に素晴らしいものが作れたと思っております」


 リュアーグは世界的に見ても大きなゲーム会社である。

プロホプルで爆発的日本の認知度が上がったが、他にもRPGやアニメとコラボしたゲームなども作っている。


 俺たちは、リュアーグの代表とも言えるプロホプルの世界大会優勝者と日本大会優勝者という枠で呼ばれていた。

他にも、今回のスタートファンタジーに関わった、声優さん、絵師さん、開発担当、リュアーグの代表まで出席するようである。


「高森さんと、夏目さんには、イベント内で実際にプレイしていただくことになりますので、よろしくお願いします」

「分かりました。楽しみにしています」

「私も、普段はやらないジャンルなので、今から楽しみです」


 プロゲーマーをイベントに呼ぶ理由としては、ゲームをプレイさせる為以外には、あんまり思いつかない。


「では、私はこれで失礼します」

「はい、わざわざありがとうございます」


 そう言うと、橘花さんは俺たちの控室を後にした。

そこから、出番が来るまで、モニターでイベントの様子を確認していた。


 声優さんたちが生でキャラに声を当てている。

やっぱり、プロって言うのは凄いと思う。


 声優の仕事を間近で見れる機会はそう無いと思うことなので、感動する。

いろんな声を出せるのはシンプルに尊敬する。


 そこから、開発者たちのインタビュー的なことを経て、いよいよ俺と莉央の出番が回ってきた。

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