第20話 狂喜乱舞の犬姉弟

ここは魔王onlineの中、最初の街の入り口だ。


早速、魔onを開始したカゲチヨとアキラ。

そして、彼らを引率するノヴェト。


「うしっ、集まったな!そんじゃまぁ、まずは、メインストーリーのNPCを……って。オイ、聞いてるかー?」


「カゲチヨかわいい!!ねぇねぇ、こっち向いてー?」


「うわぁ!……あ、あのぉ、えっとぉ!?」


「もういきなり、人の話聞く気ねぇな……。まぁ初めてのゲームって、こういうもんか……。」


ノヴェトは、ため息をつく。


目の前には、二匹の犬獣人。

わちゃわちゃと楽しそうに戯れている。

尻尾を振ってじゃれつく様は、本当に犬のようだ。


実は以前に、カゲチヨはハーフリングの少年アバターを作っている。

だが今回は、アキラと一緒に遊ぶために作り直した。


今回のアバター、カゲチヨは犬獣人の男の子。13歳の設定。


毛は少なめで、人間に耳と尻尾がついてる程度だ。

そのせいで若干コスプレ感が強い。

目がクリックリしていて、おねーさん達に可愛がられそうな見た目だ。

といっても、現実にだいぶ近い容姿で、そのまま少し大人にした感じだ。


アキラの方もカゲチヨに合わせ、犬獣人の女の子。14歳の設定。


あくまでも姉弟設定らしく、肌や毛の色までお揃いにした。

本来、ゲームには、その類の設定は特にない。

だが、RPロールプレイングもゲームの醍醐味なので、それはそれでありなのかもしれない。

アキラも現実に近い容姿だが、よりおねーさんらしいイメージになっている。


「んふぅ〜!カゲチヨ、良い匂い〜!!うひひひ!!」


「ああん!もおおお!!ダメですぅー!!」


アキラは、カゲチヨにぎゅうぎゅうに引っ付く。

さすがに、犬のように舐めたりまではしないが……。

犬のロールプレイなのか、やたらと匂いを嗅いでいる。

カゲチヨは、それを必死に身をよじって逃げる。


そして、犬と言えば尻尾。


「オマエらのそれ、すごいことになってんな……。」


アキラの尻尾は、もう在らん限りにぶん回されている。

あまり長い尻尾ではないが、感情表現するには十分だ。

それはもう『死に別れの主人が生きていた』ぐらい喜んでいるように見える。


そして、カゲチヨの尻尾。

顔や仕草からは、ちょっと迷惑そうな素振りだが、尻尾の方は真逆。

アキラと同じように、ぶんぶんと在らん限り振り回されている。


「ははは、……犬獣人の尻尾は面白いな。嘘つけねぇな、それ。」


実は、犬獣人の尻尾はオート制御。

その挙動は手動でなく、感情をオートで反映してしまう。

つまり、プレイヤーの心情が筒抜けになる。

どう考えてもデメリットでしかないのだが……。


「アホかわいい。……これはこれでアリだな。」


口ではツンツン言ってても、尻尾はデレてしまう。

そういう性質もあってか、実は魔onで犬獣人の尻尾は割と人気だった。


「ノヴェトさん、今日は猫さんですね。ダークエルフさんではないのですか?」


「……ん?……ああ、いいだろ、これ?うー、にゃんにゃん?」


そう言って、ノヴェトは胸のそれを揺らす。

ノヴェトは猫獣人の女性体だった。


「ふぇ!?そそそ……、そうですねぇ……。」


カゲチヨは頬を赤らめ、目を伏せる。

以前の、魔王城の出来事を思い出したからだ。


ノヴェトは今回、既存のアバターとは別に完全新規のアバターを作った。

猫獣人は、いつぞやに魔王城で見てから、ちょっと気になっていたのだ。

さすがに、『にゃんにゃん語強制変換』はないが。


だが、アキラの目は冷たい。


「下品ね……。これだから、ニャンカスはダメね。」


「ダークエルフの方は、ちょっと強過ぎてにゃー。オマエらがせっかく新規で始めるんだから、同じくらいの強さの方が面白いにゃ?」


「そう……、なんですか?」


「そりゃ、な。オマエらが手こずるような敵も、あのアバターなら瞬殺にゃー。それだとオマエら、ツマンにゃいだろー?」


「楽でいいじゃん!強い武器ちょうだいよ!私が代わりに倒してあげる!!」


「遊びで、手間を惜しむなよ?苦労が面白いとは言わんけど、達成感や手応えって結構大事だぜ?いきなり強い武器持ってたら、一瞬で飽きるって。……いや、飽きるにゃん!」


「ふーん、そういうもんかなぁ……。」


「最近のお子様は、楽ばっかり覚えやがって……。まぁとりあえず、色々やってみろって。このゲーム、結構よくできてるからよ。」


「あーそういえば、このゲームって、アンタが作ったんでしょ?」


「構想は……、かな。殆どを魔法人形が自動生成してるよ。一から十までやってたら、何年かかるか……。だから、全部が全部知ってるわけじゃない。まぁ余計なことは知らない方が、楽しめるだろ。」


「なーんだ。アンタだったら、バビューンと魔王城行けるんじゃないかと思ったのに。私、早く魔王倒したいわ。」


「あ、魔王城ですか!行け……、んぐっ!んーーっ!!」


ノヴェトは、慌ててカゲチヨの口を塞ぐ。


「んー、まぁいきなり魔王は無理かなー?とりあえずは最初の街探索して、雑魚倒してレベル上げて……、だな。」


「ふーん。」


ノヴェトは、小声でカゲチヨに言った。


「あのワープのことは言うなよ?めんどくせぇ話になるから。アレ使うと、ジーナちゃんがうるさいんだよ……。」


カゲチヨは、口を塞がれたまま頷いた。


「さて……。まずは、そうだな。めんどくせぇストーリーイベントはすっ飛ばして……。武器防具揃えて、街の外で戦うか。」


「あ、私魔法使いたい!バシュウウウウ!!!ドギャーン!!って。」


「あ、魔法!!僕も使いたいです!!」


「……となると、二人とも魔法クラスか?なら俺は、前衛にするか……?」


三人は街の中へ歩いていった。





街の外。


一行はクラスを設定し、装備を整えた。

準備万端だ。


「……さて。オマエらこういうネトゲって、やったことないんだよな?」


「ないわ!」


「ボクもないです。」


「早く行こうよ!早く敵と戦いたい!!」


「アキラ、オマエは本当にせっかちだな。絶対、説明書読まんタイプだろ。まぁ俺もだが。……とりあえずはいいか。最初は死んでも。」


「ええ!?死ぬんですか!?」


「心配すんな。死んだら、そこの街で復活するから。」


「は、はい。でも死にたくはないです……。」


いきなりテンションがガタ落ちのカゲチヨ。

それはもう、悲壮感漂う表情だ。


「心配しなくても、カゲチヨはおねーちゃんが守るからね!!」


「うん、まぁでも……、クラス的には、オマエが守られる方だけどな?」



アキラのクラスは『狂信者ファナティック』──────


名称とは裏腹に、RPG的には僧侶に相当する役割だ。

手に持った禍々しい髑髏の杖、ボロボロの灰色のローブ。

見た目は完全に悪役だが、これでも回復役ヒーラーだ。

回復や良効果バフに特化し、物理攻撃や防御のステータスは低め。


──────いわゆる専業ヒーラーだ。



そして、カゲチヨのクラスは『狂戦士バーサーカー』──────


RPGでの、戦士や騎士あたりに相当する役割だ。

ボロボロの革鎧を身に纏い、両手斧を担ぐ。

自身の傷もいとわない、なりふり構わない戦闘スタイルの攻撃役アタッカー

防御力の低いパーティメンバーの、身代わりになる防御役タンクも仕事のうちだ。


──────タンク兼アタッカーというところ。



「なんだってオマエら、性格と真逆のクラス選んじゃうかな……。」


「が、がんばります!!」


「カゲチヨには、指一本触れさせないわ!!」


「まぁ、これでどういうことになるのか。……それはそれで楽しみだが。」



なお、ノヴェトのクラスは大鎌を持つ『死霊使いネクロマンサー』──────


様々な死霊を召喚できるので、攻守のバランスが良いオールラウンダーだ。

二人のクラスがどうなるか分からなかったので、バランス重視で決定。

ただし、攻守どちらも専門クラスには満たない。


──────器用貧乏と言われている。



「さぁ、敵、じゃんじゃんぶっ倒すのよ!!うーん……、でも……。」


アキラはヤル気マンマン。

だが、なにか不満があるようだ。


「なんだってこんな悪役みたいな格好なの!?私、勇者が良いんだけど!!」


「それは……、お前らが獣人選んじゃうから……。」



魔onの制限──────


魔onでは複数の『種族』『クラス』があるが、いくつかの制限がある。

聖・中立・魔の属性が存在し、それぞれ選択できるクラスが違うのだ。

また、聖と魔では、パーティが組めないという制限もある。


獣人系は魔属性に分類され、聖属性のクラスは設定できない。

そして、カゲチヨとアキラは犬獣人を選んだ。

そのため、聖属性の『聖騎士パラディン』など、勇者っぽいクラスが選べなかった。


──────なお、ある程度レベルが上がると、この制限は解除される。



それから一行は、街から離れるように歩いた。

すると、すぐに敵と遭遇した。


コロコロ虫だ。


石ころに擬態する魔法生物で、このゲームで一番レベルが低い。

見た目は生物のようではなく、ただの動く石ころだ。

ちなみに、『序盤から生物っぽいと攻撃しにくい』という理由でこうなった。


「見つけた!行くよ!やーーー!!」


アキラは敵を見つけると、すぐに走っていった。

そして、杖で攻撃、殴る殴る。


「ちょ!……ヒーラーが先に行くな!!……って、カゲチヨ!?」


「どどどど、どうしましょう!?」


「どうしましょうって、オマエ。……前衛クラスなんだから、まずは前に行かんと……。ほらそれで攻撃してみろ。」


「え?え?でも、こんなので攻撃したら、死んじゃいます!!」


「まぁ……、そうね、死ぬかな……。」


そうこうしている間に、アキラが敵を倒してしまった。


「ふん!雑魚だったわ!」


「まぁ、序盤の敵だから、ヒーラーでも戦えるだろうけど。……アキラ。オマエ、体力は自分で回復しておけよ。」


「回復……?要らないわよ、そんなの。」


「オマエ、ヒーラーのくせに回復全否定かよ……。役割的には、カゲチヨの体力減ったら、オマエが回復すんだぞ?チュートリアルやったろ?」


「カゲチヨの!?ちょっとやり方教えなさいよ!……待っててね、今、カゲチヨ回復してあげるね!!」


「カゲチヨは、1mmも体力減ってねぇって。まずは自分を回復せい。……えっと、こうやるとだな。ほら、魔法用のメニューが出るだろ……?」


それから、ノヴェトはアキラに魔法の使い方を教えてやった。


「じゃぁ、いくわよ!えい!」


狂信者の初期回復魔法が、カゲチヨを包む。

もやもやとした光に包まれるカゲチヨ。

だが、カゲチヨは体力満タンなので、何の効果もない。


「わぁ……、キレイですぅ!」


「……いや、だから自分回復しろって。」


「よし!さっさと行くわよ!!」


「……もうなんか、いいやもう……、疲れた……。」


ノヴェトは回復用の死霊を召喚し、アキラを回復する。


「え、なに?なにこれ?」


「俺の回復魔法だよ。狂信者と違って、ちょっとずつ回復するやつだけどな。」


「へぇ。じゃぁ、次行ってみよー!!」


「あー、はいはい。」


ノヴェトは開始早々、激しい疲労感に襲われた。





「よし、アキラそこだ!」


「やーーーーー!!」


アキラの大斧の一撃。

敵を倒した。


「ま、こんなもんね!」


「わぁ!すごいですぅ!……アキラ、回復ですよ!」


カゲチヨの杖から淡い光が放たれ、アキラを包む。


「はぁ!!!カゲチヨありがとう!!チューしてあげるね!!」


「ほわああ!!それはいらないです!!」


実は、あれから数戦後、案の定アキラは死亡。


アキラはあからさまに不貞腐れて、面白くないと言い出した。

それで、アキラとカゲチヨのクラスを交換させた。

やっと性格に合った構成になり、まともにパーティとして機能し始めた。


「ノヴェト、アンタ……、結構うまいのね。」


「そうか?まぁ、そこそこプレイしてるしなぁ。……それに俺は、あっちの世界でもネトゲやってたんだぜ?」


ノヴェトは気を良くしたのか、聞かれてもいないことを饒舌に語り出した。


「シカドラって知ってる?滅茶苦茶有名なネトゲなんだけどさ、それで廃人しかとれないレア装備持ってたんだよー。カラドボルグって名前なんだけどさー。これがデザイン微妙だけど、性能めちゃ強でなぁー。あー、懐かしいわぁ。3体の竜を……。」


「やぁ!!」


「回復します!!」


ノヴェトが懐かしい思い出を語り始める。

……が、二人は全く興味なかったので、淡々と敵と戦っていた。


「……って、聞いてねぇ。オマエら、大人には結構冷たいよな……。」


「あ、敵こっち来ちゃ……っ!」


「ほれ。」


ノヴェトは盾を持った骸骨を召喚し、カゲチヨを庇う。


「わわわわ!あ、ありがとうございます!」


「カゲチヨ、今助けるから!!……こんのぉ!!」


アキラは敵を追いかけ、攻撃。

……撃破。


「カゲチヨ、憎悪値ヘイトってのがあるからな。ヒーラーはタイミング考えて回復せんと、敵に攻撃されるぞ。」


「そ、そうですか。気をつけます!」


「なにそれ、めんどくさい。カゲチヨいいのよ!おねーちゃんが守ってあげるんだから!」


「めんどくさいって。そういう駆け引きを試行錯誤すんのが、面白いんだろうが。……まぁ狂戦士はもう少しレベル上げれば、もうちょい楽になるぞ。敵の注意を引き付けるスキル、覚えるから。」


「ふぅん。……それ覚えたら、魔王倒せる?」


「気が早ぇな……。オマエの中で魔王は、雑魚と同レベルなんだな。」


「だって、私、現実リアルで魔王倒してるし。」


「……そうね。確かに倒してたな。そーいや、まっちゃん。今何やってんのかな……。忙しいって言ってたけど。」





同日、同時刻、某所。


「はいー、オーライ!オーライ!……ストップ!!」


そこは工事現場。


大掛かりな装置が資材を運ぶ。

大きな森の一部を造成し、なにやら大きなものを作っているようだ。

……そこに、女魔王はいた。


「魔王様。」


「ん?どうしたでござる?」


女魔王は呼び止められ、手を止める。

今日は、いつものズボラなタンクトップ姿ではない。

工事現場ということもあり、ヘルメットに作業服を着ていた。


彼女を呼び止めたのは、黒いフードを纏った者。

顔は見えないが、その鋭い眼光に怪しい光を灯す。


「……侵入者を捕まえました。記者のようです。」


「まったく、困った人たちでござるねぇ……、これで何人目か。一体、どこで聞きつけたのやら。結界があるから、何も見えないでござろうに。」


「現在拘束しておりますが……、いかが致しましょう?」


「情報の発信元、特定できるでござるか?」


「お望みとあらば、いかようにも……。」


「あまり手荒なことは……、分かっているでござるな?」


「勿論です。」


「まぁ、彼らも何をやっているかまでは、まだ掴めていないのでござろうな。これを知られては困るのでござるよ。……我らの真の目的を。これが完成すれば……、フフフ。これは勇者氏にも秘密でござるから。」


「……そうなれば、世界は魔王様のモノに……。」


「これこれ、気が早いでござるよ。まぁ、拙者にかかれば、こんな世界なぞ、いつでも好きにできるでござるよ!ハハハ……、アーハハハハッ!!……でござるよぉ!!」


女魔王は、密かに悪巧みをしていた。





次の日の夜、女神神殿。

ミシュとスアリの二人。


「……して、これが魔法パソコンというものか。どう使うのだ?」


ミシュは、目の前の機械を覗き込む。

だが、使い方が全く分からない。


「情報部によれば、電源を入れれば良いというが、これか?……ふぉ!?」


スアリが電源ボタンに触れると、魔法パソコンが起動した。

ミシュとスアリは、ギョッとしている。


「お、おおう……。何やら大きな板に文字が……。こ、これは、スマホの大きいやつということか?やつらこんなものを……。」


ミシュは、文字が映し出される液晶画面を指でなぞる。

だが、タッチパネルではないので、何も反応しない。


「情報部の方では、以前から使っていたようだが……。まったく、魔王領のやつらは、何から何まで……。奇想天外なことを思いつくものだ。これを使えば、魔王onlineというゲームもできるそうだ。」


「しかし、これはかなり高価なモノなのだろう?アキラのためとは言え、こんなものをポンと送りつけてくるなぞ……。ノヴェトのやつめ、一体どういう了見なのだ。なにか、やつらの思惑があるのか……。」


「それなんだがな。これを見ろ。」


「なんだこれは……?」


ミシュがスアリに見せられたのは、1冊の雑誌。


「『FLAME』という、経済を扱う雑誌らしい。これで特集を組まれるというのが、魔王領では一種のステイタスらしいのだ。」


「アイツ、表紙じゃないか……っ!?『巻頭カラー!魔王領の革命児、若き社長の素顔!!』……だとっ!?」


雑誌の表紙には、格好付けたノヴェトの写真がデカデカと載っていた。

黒いスーツに黒いマフラー、黒い帽子。

モデルのようにポーズを付けてる様は、なかなかに痛々しい。


「たまたま古本屋で見つけてな。姫様のために購入してきたのだが……。」


ミシュはパラパラとめくる。

巻頭のカラーで、ノヴェトの特集が組まれていた。


「くっ!!コイツ、なんだ、これは……っ!?この構えは?玉を持っているような……?どの写真も同じだぞ!?一体何の儀式だ?……もしや、ここに、我々に視認できない何かが……?これがヤツの力の正体?クッ!!なんなのだ、何も分からん!!この手にどんな意味が!?」


「いや、それ、実は他のFLAMEを見たのだが……。特集を組まれる著名人は、皆その『見えざる玉の構え』をするようなのだ。おそらく、それが成功者の佇まい……、というやつなのだろうな。」


「……『若社長のカジュアルコーデ』……?なんだ、この格好は。コイツ、正気かっ!?……で?……それで?これがなんだというのだ?」


「いや、その特集によるとだな。アイツ、魔王領有数の大会社の社長みたいなんだよ。実務は魔法人形オートマトンがやってるみたいだけどな。要は億万長者だ。」


「……なっ!?」


「だから、こんなパソコンなど、奴にとっては大したものではないのだろうな。」


「そ、そうか。ヤツがなぁ。……ハッ!?オ、オイ!!……後ろの方に、魔王のヤツも載っているぞ!!」


「なっ!?それは気付かなかった。『ラーメン屋破壊神の人気の秘密とは?魔王ラーメン、その裏に隠された開発秘話!!』だとっ!?もしや、この魔王の隣のやつが店長か……?」


「この……、腕組みをしているのも、何かの構えなのか?なぜ二人とも同じ構えなのだ。玉は持たなくていいのか?……いや待て。次のページで、魔王も玉を持ってるぞ!!」


「そ、そうなのか……!?分からん。分からないことだらけだ……。」


ミシュとスアリは、未知の世界に大いに悩んだ。


なお、この雑誌は後でメルトナ姫に献上した。

それはそれは、大いに喜んでいたという。

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