死にたい気分の時に契約した悪魔は俺の寿命で遊んでいますが、もう死にたくなくなったのでクーリング・オフを希望します

燈夜(燈耶)

第1話 プロローグ

 今。

 仇敵だった元いじめっ子はこの俺、朱音公春(あかねきみはる)の友達で、クラス一の可憐な花は俺の彼女だ。

 これは、ほんの数日前には思いもよらぬことで、俺自身も自分の今の境遇にびっくりしている。

 と、言うのもこれには深いわけがあるのだ。

 そう、きっかけがあるのだ。あったのだ!

 そしてそのせいで、俺は──いや、人間誰も終わりに向けて絶賛驀進中なのであるが。

 終わり? そう。終わりといえば人生の終わりのことだ。

 死んで無になる終わりのことだ。

 つまり、死亡。

 でも。

 ああ、なぜ今?

 ああ、どうして俺がそんなことを考える?

 ああ、俺の考えなし。

 そう。それは俺がとある人物──いや、存在と称すべきだろう──に目をつけられ、ついには出会いを果たしたことからすべては始まったのである。

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