《三日目》Scene1

「蒼、どうしたんだろう?」

私は近くを探してみた。

今日は休日で人通りが多い。

「あっ!」

喫茶店に居る蒼を見つけた。

「蒼っ〜!」

私が声をかけると蒼は、私の方に視線だけを向けて、

「なんだ。」と言った。

「蒼、昨日どうしたの?」

「いや、なんでもない。」

蒼は何も答えてはくれなかった。

「ねえ、どうしたのってば!!」

耳元で大声を出すと蒼は、

「わかった…そんなに言うんだったらここに行ってみろ。」

と言って、私に紙を渡した。

それから、私を店の外に追いやった。

どうしようもなくなって、紙を見る。

紙には『空町商店街』とだけ書いてあった。


商店街を探して居ると、

「あれって…」

その中にお母さんと妹の灯花を見つけた。

お母さんは最初の葬式で見た時よりもやつれていた。

「何処へ向かうんだろう?」

そう思った私は、ついていくことにした。

蒼に渡された紙のことなど忘れて。


「いじめをなくす会?」

お母さんたちが入っていった建物の看板にそう書いてあった。

窓にへばりついて会話を聞く。

「…うちの娘が…一昨々日、自殺で…」

「そうなんですか。それは辛かったでしょう。」

しばらくすると、

「っ…ふざけんなよっ!」という、灯花の声が聞こえてきた。

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