R5-226
………ううう。さ、寒い。
か、彼起きないかなぁ?
休みだから昨夜も夜遅くまでスマホいじってたから無理か。
ああ、それにしても。
この朝の冷たい空気って、アタシ好きだったなあ。
てか、年明けの冬が季節で一番好きかも
この頃ってもうすぐ春がきますよー。って遠くから風が言ってる気がしてね。
なんて。
詩的な事言っちゃったよ。やだ、ハズいじゃん。
でも、この季節でもあれだけは嫌いだったなぁ
マラソン大会。
君の学校もあるのかな?
でも、あっても病み上がりだからアタシ達にはさせないよねぇ。
大丈夫だよねぇ。
ああ、それにしても寒いなぁ。ああ。
寒いと思ったら雪が。
小さい時ね?
一回アタシのところもすっごい雪が積もった時があるの。
滅多に積もらない海辺の土地だからさ。アタシ嬉しくて。
マ……お母さんに言ったんだ。
かき氷のシロップかけて食べ放題だ。って。
えっへへへ、でも子どもってそんなもんでしょ?
実際に両手いっぱいに掴んで
思いっきり齧ったらさ。
つーーめたくて。
ママ。
……お母さんとお父さんには怒られちゃうしさ。
あの時、弟もまだ生まれてなかったんだな………。
綺麗だったな。
真っ白で。
いつもの自分の家の前の景色なのに。
真っ白なの。
アタシが眠ってる間に。
おっきな
おっきな神様がさ。
真っ白い雪をケーキにデコレーションするみたいに
アタシに見せようとしてくれてたのかなって。
あの頃思ってたんだ。
もう一度
見たいな。
あの景色。
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