投げっぱなしジャーマン系異世界転生(又は令嬢)ネタ

英 万尋

王妃様、ほんとに私で良いんです?

 2021 12 23


 読みたい異世界で令嬢出てくる話なんですが


 去勢済みで、実務をこなす役割として王家に入った女装王妃

 もしくは

 王族を守ったがゆえに傷を負ってしまい、子が産めない元上級貴族の王妃

 ×

 王様から「王妃から寵妃として迎えるように言われた」と言われた下級貴族


 というのが見たい。







 主人公は下級貴族、王太子が妃を迎えたことで国王陛下に。その際、新しく侍女というかお付きの人間が必要ということで領地経営が芳しくない家から出仕の打診があり、家を出て王宮へ。

 悪評もなく質実剛健が顕現したような王様と王妃なので、当たり前に横領や詐欺詐称、恐喝のようなことをしなければ基本的には穏和に暮らせる。そう思っていた。

「あなたを私の侍女頭に」

 頭が真っ白になった。

 王妃がこの言葉を発するまでのひと月。主人公は何気ない働きを繰り返していた。

 王妃に一途に仕え、身の回りの事や気配り、話題などを考えながら王都での生活を満喫していた。

 そんな折、室内の丁度をクロスで拭いていた時にあの一言。

 主人公は目を白黒させて渾身の一言。

「お受けできかねます!?」

 きょろきょろと視線を泳がせながら、今後の我が身を思っていると、今まで見たことの無い声量で王妃が笑いだした。

「大したことはないよ、順番こなだけだから」

 侍女長になればその分給金が増える。その月の仕送りが増えるように。あと、王宮の事を知って貰えるようにしっかりと指導する期間。とのことだった。

「ちゃんと実務の侍女長は別でいるから、役職名は違うけど。だから、断らないで貰えるとうれしいのだけれど」

 この国一番の美人にズイズイと詰め寄られこれ以上の否やは通せなかった。

 またひと月経った。

 あの日以来、着替えやお風呂以外は常に行動している。なぜその二つは別なのかというと、王妃の生家から連れてきた年配の侍女が世話をするからと断られるからだった。

 肌を見せるのが苦手、という風には見えなかった。方からデコルテを見せるラインのドレスは多々あり、寝るときのウェアもゆったりとしている。袖や襟から覗く白い肌は、なにも恥じるような雰囲気を見せない。





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