ヌープ~アイリス・ミラーの手紙

ねこつう

第1話 詩編と手紙

詩編



緑は私の中に入り


私は緑に守られて


それを運ぶ


土に触れれば


根を生やす


子守歌を作る


赤と白の鍵の石


一か月 白い芽が出はじめて


三か月 黄色い葉がついてくる


五か月で緑の枝が伸びてきて


八か月 紫色の花が咲き


一二か月 赤い綿毛が飛びまわり


数年後 世界は緑のものになる




 メラニー・マクドゥーガルは、青い封筒から出した、その長い長い手紙を読んでいた。途中で、読むのをやめて、自分の子どもたちの事を考えた。


 この手紙を書いた女性のような立場に、自分がなったとしたら、どうするだろうか、と、メラニーは思い、またその手紙を読み始めた。

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