第4話 無二家

そう以前3人で通った時にあった穴が見当たらないのだ。



ゆき「本当だ、このレンガのところに絶対あったはずなのに……」



また、黙って歩く無二。



あれこれ考えだすが一向に理解できない様子の二人。


気づくと無二の家に着き、玄関先で不思議な表情をしている。



無二「二人ともあがって、あがって~~!」


絵美たち「じゃあ……お邪魔します。」



無二「自分家のようにくつろいでね!」



ゆき絵美「ありがとう!!!っ」



そうして、少し部屋を無二が離れている時


絵美「こないだの事なんだけどさ、正々堂々と無二にあの扉の事を聞いてみない??」



ゆき「ええっ!!なんか怖いなあ……無二この間怒ってたみたいだし……絵美が聞いてよお。あたし、聞くのはちょっと…」


絵美「ん……じゃあ無二戻ってきたら聞いてみるわ。」



無二「ごめん!!二人とも、お待たせえっ♪



絵美「あ、あのな無二……こないだ、うちらあの扉の事で怒られたやん??ほんっまごめん……

どうしてもあの扉の事気になってしもて、見たいなあ……なんて…」



無二「ん……」


無二「仕方ない……じゃあ、二人ついてきて。」



がちゃ、ぎいいいい。


重く閉ざされた扉が少しづつ開いていく。



無二「入って。」


部屋のあたり一面に張り巡らされた、魔方陣やお札。

部屋の中はひんやりした空気ではりつめられ、肌寒い。かすかに、お香の匂いが漂っている。


無二「実は私はね、代々無二家に7500年伝わる、生まれつき逆時計盤が右腕にある一族なの。

まだまだこの逆時計の紋章については、わからないことだらけなんだけどねっ」


「ここで、学校では習わない紹魔の儀式を行ってて。」


「とはいっても無二、失敗だらけであちこちにその残骸が落ちてるんだけど…」



ゆき「す、すごい……お部屋だね、とっても不思議でなんか今までに入ったどんなお部屋より違う感じ……」



すると、突然無二の腕にある時計の文字盤を逆さにしたような紋章が光り出す!!




「えっ、ええっ!?何なにこれ……?!」




数十秒光り出した後、突如魔方陣のある床から吸い込まれるような暴風が吹き荒れた。




ゆき「わあ!!!す、吸い込まれる!!!」



無二「くっ、、全員何かにつかまって!!!」



ぎし、ぎし、、必死で木製の本棚にしがみつくゆきと絵美、無二。



まるでブラックホールのような穴に無二が吸い込まれかけている、、


ゆき「無二!!手をのばして、もう………」


「あとちょっとで届きそうっ!!」




ゆきは、突然人が変わったかのような目をして、光彩集魔!!!と唱え始める。


無二は何かを察したように何者かの気配に気づいた。



ゆき「私の大事な友達に、手をだすなあーーー!!!」



近くにあった手鏡に、光が集まり乱反射していく。



???「ぎ、ぎゃああああ………!」



間一髪な、なんとか穴が消えて助かったようだ。



絵美「全員大丈夫??けがしてない、??」



ゆき無二「うん……はあっはあっはあっ何とか平気……ありがとうっ」




???「ちっ、もう少しでやっかいなのを……」



ゆき「今、何か言った??かすかに何か聞こえたような気がしたんだけど……」


無二絵美「うんん、何にも言ってないよ??」




ゆき「私、。今なにしてたんだろう………なんだかところどころ記憶がないみたいなんだけど、

けど……けど、全員をもっと守れるくらい強くなりたい><」


絵美「こりゃまた大きくでたなあ……でもありがとう!ゆき」





ふと気づくと、全員きづいていなかったのか、物陰から女性の手と顔がちらちらしている。



ゆき絵美無二「わああ、、めちゃくちゃびっくりした!!!」



絵美「誰なん??いつからそこにいてん、あんた!!」



???「あら………あちきずいぶん前からいたんやけど、なにやら騒動で気づいてもらえなくて。。大人っぽく、容姿端麗な顔立ち、かすかにローズマリーの香りがし、耳元には魔方陣のような円形イヤリングを身に着けている。」




マツ「あちきは、まつ。こういうても信じられないかもやけど……

室町時代から来た、いわゆる時空間漂流してる、妖術つかいみたいなもんです。」



絵美「なんやそれ、めちゃくちゃ怪しいねんけど」


マツ「それはそうと、みなさんの目はごまかせてもあちきの目はごまかせません。

さっきどこからか迷い込んだ愛魔がおったようですけど……」


「あいつは放っておいたらまたこの世界でまた、悪さしますよ?」



絵美「やっぱ、さっきのは見間違いじゃなかったかあ!!うちの直感はあながち間違いでもなさそうやなあ。」



ゆき「それって………おば…おばけの類なの??あたしお化けはどうしても、無理……」



絵美「なにゆうてるのん、さっきみんなを守る為つよくなりたいいうたとこやん!?」


無二「確かに無二家代々にも、そういった類の化け物や妖魔の類などはこの世界とあの世界をつなぐ、穴を出入りしていると聞いてます……」


「古来より、トンネルや鏡のある場所もそう聞くけど」


マツ「お化けとは、またちょっと別物なんですが……彼女が言うように

一見何にもないところも、そういった次空間が現れることがあって。」


「あちきもこの世界に来た以上、みなさんのサポートをさせていただきとおございます。」


絵美「ゆき、聞いた?お化けとは別物なんやって!

それはありがたいけど、、今日は一旦帰ってまた明日の準備しようか」


「うちさすがに疲れてもおて……」



その日はみな、疲れた様子で無二家をあとにした。


うん、、今日はもう帰ろう!!と一同。


ゆき「お化けじゃない…お化けじゃない…行ける!!!<気合>

あと、まつさんはこれからどうするの??」


マツ「あちきももう少し調べてみたいことがあるので、基本的にあちきは室町時代にて習得した円盤時空魔法という移動が得意です。

なので、分かり次第みなさんに一報いれます。」


すると魔方陣の描かれたような円盤型、

といっても薄っぺらい乗り物だが。宙に浮き、一瞬の間にどこかへ消える。

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