あなたの心を離さないエルフの美少女なあの子  パワードスーツ ガイファント外伝

逢明日いずな

初めての格闘技

第1話 格闘技の授業のジューネスティーン


 ジュネスのバカァ! 本当に信じられない!


 私は、エルフで、容姿だって、多少は、……。


 うん、多少は、自信があるのよ。 多少は!


 美形の多い、エルフなのよ。


 まあ、美形でも、年齢的に41歳だから、ジュネスのように人属なら、15歳程度だから、体型的にもねぇ、……、まだ、ちょっと、ちっちゃいけど。


 でも、ウサギの亜人のアリーシャは、26歳だけど、私と同じ位しか無いから、シュレ、アリーシャ、それと私となったら、……、うーん、何だか、貧乳パーティーになってるわね。


 って、そんな事は、どうでもいい!


 全く、何で、パーティー決めの時、最初に私とカミューを誘わないのよ。


 誘いにくそうだったら、アリーシャを誘ったって、アリーシャは、ウサギの亜人なのだから、身長も無いし、体だって細いんだから、筋力も無いだろうし、私とカミューの方が、戦力になるでしょ。


 声をかけられなかったのが、怖かったからって、私のどこが怖いって言うのよ。


 もう! ジュネスのばか!


 ……。


 でも、まあ、6人のパーティーになれたのだから、これで、学校生活も続けられるけど、……。


 今日の、この授業は何なのよ?


 武器無しの格闘技?


 冒険者が、素手で格闘するって、どう言うことなのよ。


 この授業、全く、理解できないわ。


 魔物と戦う冒険者なら、剣や弓とかの武器を使うか、あとは、魔法でしょ。


 ギルドの高等学校で、魔法を習うと、魔法適性の無い人でも、稀に、魔法が使えるようになると言われているのだから、そっちをメインに授業かと思ったのに、何で、武器無しの格闘技なのよ。


 本当に、意味が分からない。




 あら、ジュネスったら、教官に指名されているわ。


 ああ、そういえば、ジュネスったら、特待生だったのよね。


 あの線の細い体で、盾役だって言うのだから、ちょっと驚きよね。


 シュレは、……。


 ああ、教官ったら、案外、紳士なのね。


 シュレは、女子で、魔法職だから、特待生と言っても、格闘技の相手に、呼ぶ気はなさそうね。


 ふふふ、シュレは、格闘技なんてさせたら、潰れちゃうわよね。


 教官もその辺りの倫理観は、有るみたいね。




 エッ! 嘘でしょ! 教官、それは、さすがに無いでしょ。


 何でもイイから、倒せだって、……。


 膝を付けたら、ジュネスの勝ちなのね。


 エッ! 10分間は、自由に攻撃して構わないの!


 そんなにやりたい放題させたら、いくら屈強な教官だって、無理でしょ。




 あっ! はじまった。


 ジュネスったら、殴って、……、って、あの教官、避けている。


 すごい、捌きだけで、ジュネスのパンチを避けているわ。


 あれが、上級冒険者の技なの?


 すごい、なんで、あんなに綺麗に避けられるのよ。


 ギルドの教官って、とんでもないのね。


 あっ! ジュネスったら、殴るのは、全て避けられると分かったから、今度は、組み合うみたいだけど、……。


 な、何なの?


 教官が、全く、動く気配無いじゃない。


 腕を取って、投げようとしても、体に腕を回して押そうとしても、振り回そうとしても、全く動く気配がないわ。


 あの体格差じゃあ、組み合っての格闘戦は、ジュネスには、分が悪いでしょ。


 あー、時間が経過したみたい。


 10分経ったから、攻撃する、……、えっ、あっ、まじですか。


 ジュネスったら、振り回されているだけだわぁ、……、投げられてばかりね。


 でも、ジュネスったら、立ち上がって、向かっていっているけど、教官に触れた瞬間、担がれて、簡単に投げられているわ。


 あー、あれ、何度やっても無理なやつよ。


 技術的な違いが有り過ぎるわよ。


 ほーら、ジュネスったら、もう、あんなに息が上がっているわ。


 もう、無理よ。


 最初の時より、立ち上がるのに時間が掛かっているわ。


 えっ、ちょっと、教官ったら、立ち上がれなくなったジュネスを、掴んで立ち上がらせた、……、って、えっ、何、教官ったら、ジュネスを立たせたら、そのまま、投げたわ。


 嘘でしょ。


 床に叩きつけられて、叩きつけられたら、そのまま持ち上げられて、立たせたら、また、投げるって、……、うわー、見ているだけで、目が回りそうだわ。


 それに痛そうだわ。


 背負って、投げられ、立たされて、背負って、また、投げられるの。


 あれ、いつまで、続くのよ。


 えっ! 嘘でしょ。


 うわー、あれって、何なのよ。


 でも、教官も流石に疲れたみたいね。


 前で見ている生徒を呼んだわ。


 そこの4人って、教官、今度は、4人を相手にするってこと、……、あ、ジュネスを動かすのか。


 あー、ジュネスの両手両足を4人に持たせているわ。


 あんなことされても、全く動かないなんて、よっぽど、疲れたみたいね。


 うわー、あれ、私もされるのかしら。


 ……。


 ああ、でも、教官も、相当、疲れたみたい。


 そうよね、ジュネスは、教官にされるがまま、ただ、投げられるだけ投げられていたのだけど、教官は、常にジュネスを投げていたのだから、教官の方が疲れるはずよね。


 でも、見たところ、ジュネスは体を起こすこともできないわ。


 教官の方が、疲れてもおかしくはないのに、鍛えているとあれだけの違いがあるのかぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る