もちろん嫌な事はあったけど、可愛い女性とイチャイチャしたり、ちょっぴりエッチな生活を送って、ハッピーエンドを迎えられたので、幸せ一杯です! (短編集)
憎たらしいクラスメイトが、お前みたいな冴えない奴を好きになる奴なんていないと言ってきた。いや、こんな俺でも好きになってくれる女子は居る! そう信じていたから、可愛い彼女が出来ました!
憎たらしいクラスメイトが、お前みたいな冴えない奴を好きになる奴なんていないと言ってきた。いや、こんな俺でも好きになってくれる女子は居る! そう信じていたから、可愛い彼女が出来ました!
約束の日曜日を迎える。俺は親にからかわれるのが嫌で、玄関でソワソワしながらチャイムが鳴るのを待っていた。
──数分して、家のチャイムが鳴り、直ぐにドアを開く。その先にはフリルが付いた薄ピンクのワンピースに薄手の白いカーディガンを羽織った愛羅さんが立っていた。
前回と違った可愛らしい服装で、何だかドキドキしてしまう。愛羅さんは緊張している様子もなく、ニコッと笑うと「こんにちは」
「あ、うん。こんにちは。どうぞ上がって」
「お邪魔します」
愛羅さんは家に入ると、ペコリとお辞儀する。え、何で? と、後ろを振り返ると、ダイニングのドアからヒョッコリ顔を出す母さんの姿が見えた。恥ずかしいから顔出さないで! って言ったのに……俺は無言で睨みつける。
「お邪魔します」と愛羅さんが言うと、「はい、どうぞ」と母さんが返事をして、なぜか出てくる。おい、何ズカズカ出てきているんだ。
「夢斗、あとで御菓子を持って行ってあげるからね」
「それはさっき聞いた!」
母さんは口元に手を当てると、わざとらしく「あら、そうだったかしら。ほほほほ」と笑う。
「まったく……ほら、あっちに行ってて」
「はいはい。まさか、夢斗がこんなに可愛い彼女を連れてくるとはねぇ」と、母さんは捨て台詞を残して、去っていく。
余計の事をしやがって……気まずくて、愛羅さんの顔が見られなくなるだろうが。
「じゃ、じゃあ行こうか」
「う、うん」
俺は愛羅さんの顔を見ないまま、二階に上がって自分の部屋で立ち止まった。ドアを開けると「汚い部屋だけど、どうぞ」
愛羅さんは「ありがとう」と言って、ゆっくりに奥へと入っていく。アニメのフィギュアとかが並ぶ棚や漫画が沢山あるせいで部屋が狭くなっているから歩き辛そうだ。
「えっと……ごめん。部屋が狭いからベッドに座って」
「分かった」と、愛羅さんは返事をすると、スッとベッドの上に座る。俺は愛羅さんの横に立つと「片付けたけど、ゴチャゴチャしていてごめんね。色々あり過ぎて、ちょっと引いたかな?」
愛羅さんは首を横に振ると「うぅん、大丈夫や。想像していた通りやで」
「はは……良かった。DVDをセットするから貸して」
「うん」
俺はDVDを受け取り、プレーヤーにセットをすると「隣、良いかな?」
「良いって、自分の部屋やろ」
「そうだよね」と俺は返事をして、人一人分ぐらい距離をあけて座ろうとしたが、直ぐに映画館と同じぐらいの距離で座った──ちょっと恥ずかしいけど、愛羅さんに遠慮はいらないもんね。
──DVD観賞を始めて1時間ほど経過する。ストーリーはアニメとほぼ一緒だが、セリフ回しとか、シーンが追加されていて、新鮮に楽しめる。
「ソフィア役の女優さん、凄いなぁ」
「そうだね。綺麗で演技も上手だから、スッとストーリーが入ってくる」
「ほんまや……」
演技もそうだけど、やっぱりこの物語は心に響く。俺もいずれはアニメ制作会社に就職してアニメを作るサポートをしてみたいな。
※※※
DVD観賞が終わった俺たちは、感想を言い合いながら楽しい時を過ごした。外が暗くなり始め、俺は愛羅さんを家まで送る。
「この辺で大丈夫や」
「そう。じゃあ、また明日ね」
「うん。あ、そや。テーマパークの時は言い忘れてしまったけど、夢君と過ごせて楽しかったよ。こんな事なら、もっと早く夢君に話しかけていればと思う程にね」
愛羅さんはそう言って、照れくさそうに微笑む。こんな風に言って貰えるなんて初めてで、胸がジーン……と熱くなる。
「ありがとう……こんな俺でよければ、いつでも付き合うよ。また誘ってね」
「うん!」
愛羅さんが笑顔を浮かべ元気いっぱいに両手で振ってくれる。俺はそんな優しい愛羅さんに見送られ、温かい気持ちで家へと帰った。
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