第71話✤ドーラの街の依頼5
お宝の山の殆どをペトラさんに任せ、僕らは欲しい製品少々と現金、すぐに換金できそうな魔性や宝石類、あと例の魔族専用杖を手元に残した。
お金や魔石宝石類は三等分してそれぞれ専用の
メルトが冒険者として登録して自分で稼げるようになったことから、個人の買い物は個人で出すようにしたからねぇ。
とりあえず、ギルドの依頼もクリアしたのでその分の報酬を貰った。
「今後はすぐ旅立たれます?」
「だなぁ。明日辺り出立でいいかな?」
「そうだね。作り置きもまだまだ消費されないし、逆に増えたし……。ってそうそう忘れるところだった。ペトラさん、これあげる」
と、1.6L容器にぎっしり詰まった
「え?この香りって……まさか……!?」
「そう、そのまさか。
小さな容器にはいった薬味ケースを3個置いておく。
「滝つぼに
「まじですかー!やったー!鰻ー!うなぎだー!!」
僕や聖と同じく、日本の記憶を持つ異世界転生者のペトラさんだからこそ喜んでいるけれど、そういやこの世界の人は鰻の食べ方ってぶつ切りにして煮込んでプルプルしたのに薬味ソースかけて食べるとか、ブツ切りにして煮込んで手で骨取ってパイにして食べるとかそんなんばっかだなんだよね。
「ほう……これは良い匂いですね。鰻はこうやって焼いてもいいんですね」
「そうだね。というか僕らが居た場所ではこの調理法が主体だったかな。他の国ではちがったりもするけれど」
さっきのプルプル鰻ゼリーみたいな。
「今晩が楽しみです」
「お米も炊いてうな丼にしたら?」
と、僕はお米30キロ袋と業務用鰻のタレ1.8Lのボトルも取り出しておいた。
「枢兄さん流石です!やったー!魚沼産だー!あとこのタレだけでご飯三杯いける!」
ほくほくしながらペトラさんは自分の魔法鞄にしまい込んだ。
今日の食卓が楽しみだ、と。
「では話を戻して。明日出立ですね。次はどこですか?」
「えーと、国境の検問街まで3つの街と2つの村を経由するんだ。街はここで一つ消化したから、あとは2つの街と2つの村だな」
聖がルートを書き込んだ地図を見せながら、ペトラさんに説明した。
「ふむふむ。次はマルドラの村ですね。ここから一番近い……といっても馬車で二日ですが、村というには大き目で町ほどではない、といった規模の所です。そこの村長さんと総合ギルド出張所のマスターに一筆書いておきますね」
「ありがとう、ペトラ」
そうして僕らはギルドを後にして、明日の為にゆっくりと過ごすのだった。
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