もう時効だろうから話しちゃうね 

TO BE

第1話 星空不動産☆同期(3)

ピコピコリンとラインの着信音がした。

「星空不動産☆同期(3)」のグループラインに久しぶりに連絡が入っている。


K【ご無沙汰してます!祝ゴールデンズ優勝!久しぶりにランチいかがですか?

栗【お久しぶり ゴールデンズの優勝も久々!いつ会う?

K【来週の土曜 7/7はいかがですか? 13時に「北国指定席」では?

茉【ホントにご無沙汰です 7日OKです 楽しみにしてます

栗【予定に入れますね 楽しみ

k【お願いします/スタンプ


kこと 伊沢蛍いさわけい元営業職 アラフォーだけど他の二人より2歳年下 中2 小6の姉弟の母 二年前から保育園でパート勤務中 


栗こと 栗栖愛 《くりすあい》元営業職 アラフォー バツ1 高校生女子双子の母 シェアハウスの管理人とパート勤務のダブルワーク


茉こと 長野茉莉ながのまり事務職 栗栖と同じ年 小6小4の兄弟の母 4年前から元の会社にパートとしてUターン就職 



***


7月7日土曜日 商店街から一本入ったところにある喫茶店「北国指定席」


時間より少し前に来て 店の前で待っていたのが蛍、小柄で可愛い系なのはオバサンになっても衰えないのか 短めのスカートが似合っている。


次に現れたのが 栗栖 姉御肌なオーラを纏わせ 長身に良く似合うパンツスタイル。


13時ピッタリに小走りで現れたのは 茉莉 中肉中背 白いブラウスに紺のスカート姿、人懐っこい笑顔で手を振ってくる


「お久しぶり!」

「誘ってくれてありがとう」

「ゴールデンズが優勝したし 久しぶりに会いたくなっちゃったんです」


北国指定席は 三人が会社員時代に愛用していたランチが美味しい喫茶店だ。

3人とも日替わりランチを注文した今日のランチは”チキン一枚上げ”。

バリっとした皮が香ばしい一品だ


かおるが離婚したんだって 実家に転居通知が来てた」

席に着くなり 栗栖がバックからハガキを出してテーブルに置く


薫というのは 栗栖の友人だが 茉莉や蛍も同じハンドボールチーム、ゴールデンズを応援する仲で、一緒に試合を見に行ったり、飲みに行ったりしていた。

結婚した時には三人で祝電を送った、それも ぬいぐるみ付のちょっと高い電報だ。


「薫さん 結婚してダンナさんの田舎 長野だっけ?に帰ったんだよね?」と茉莉

「そうそう」

「ああ じゃあ嫁 姑問題?」

「あーそうじゃなくて もっと一般的なコト」


栗栖のヒントに 一般的な離婚原因ってなによ?と首を傾げながらも茉莉が聞く


「浮気か借金?」 

「惜しい!不倫と借金だってさ」

「あー なるほど、って殆ど当たってない?」


「一般的なんですか?!」蛍の疑問に 栗栖が苦笑いして答える


「そうだよ うちだって浮気で別れたんだからさ」

「そうだったね もう 10年以上? お嬢さんたち中学生だっけ?」と茉莉

「もう 高校生だよ」

「はや~!! まだ 元ダンナさんとは会ったりするの?」

「子供にとってはパパだからね 年に一回くらい会うよ」


「どんなカンジ?」と蛍

「うーん 子供にとってはカッコいいパパ? ”パパとママ仲いいんだから再婚すればいいのに”って言われたことだってあるよ。 そりゃあさ 離婚して 他人だから仲良くできるのよ

 恋愛でも結婚でも何でも勝手にすれば?ってカンジで喧嘩になる要因がないのよね。もちろんワタシはヨリを戻す気は無いよ。あっちはフラフラ恋してて今バツ3かな? まあ どうでもいいけどさ」


栗栖がどうでも良さそうに行った時 料理が運ばれてきた

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