#140字小説 延長戦 第四集

2022/6/6

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〇【リンク先に画像あり】

待ち合わせまで10分以上ある。

もしかしたら先に待っているのでは。

焦って来たが少し早かった。

暑くも寒くもない良い陽気。

ハンガーに掛けっぱなしの一張羅。

アイロンをかけパリッと決めた。

今日はどこへ行こう?

あの娘が喜びそうな映画か。

秋晴れの通りを散策しようか。

心が踊る。 #140字小説

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〇【リンク先に画像あり】

近所に野良猫が住みついて5年。

真っ黒なその猫をジジと呼んだ。

アニメの黒猫。

もちろん会話は出来ないが仲良くなった。


花粉症の季節。

足が遠のいていたジジに会いに行く。

僅か2か月程の間に子猫が生まれていた。

尻尾を逆立て警戒している。

君はもう僕の事を忘れてしまったのかい? #140字小説

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〇【リンク先に画像あり】

悪魔の吐き出す黒い霧が部屋全体を覆った。

毒かも知れない。

口と鼻を覆う。

一寸先も見えない。

だが相手からも見えない筈だ。

息を潜め霧が晴れるのを待とう。

ヒュッ。空を割く音。

反射的に盾を構え重い一撃を受け止める。

その時。悪魔の爛々と光る瞳と目が合った。

 ―英雄譚の一節―

#140字小説

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〇【リンク先に画像あり】

初旅行だった。家族旅行修学旅行の経験は当然ある。だけど取りたての免許で友人と行くのは初。車で1時間の海に決めた。

1泊2日の夕暮れ時。海沿いの道。勢いに任せてどこかで聞いたようなセリフを友人と恥ずかしげもなく叫んだ。甘酸っぱい少年時代の記憶。

「あの夕日に向かって走れー!」 #140字小説

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〇【リンク先に画像あり】

いつもの散歩道で赤く色づく紅葉を発見。

腰を下ろし小川の潺を耳に熟考すると空も茜に。

徐にペンを取り出す。


もゆるひも

みじかくなりて

じきおちる

みみおとじみも

もゆもみじかな


詩中に隠した数と同じ6枚の紅葉を拾う。

記念の押し花にしようか。

そんな事を考えつつ帰路についた。 #140字小説

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