#140字小説 二百物語 延長戦

武藤勇城

#140字小説 延長戦 第一集

2022/6/6

の時点で、元ツイート・画像が残っている作品には 〇

ツイート・画像が消えてしまっている作品には ×

の印を付けておきました。



×【リンク先に画像あり】

凶。御神籤では大吉より少ないという最悪の卦。

待人は来ず。失物は出ず。売買も旅行もするな。

そして病。“長引くも心安らかに養生せよ”と出た。

今の私にとって、この言葉は“大吉”だった。

「長引くのか…」

車椅子を押すあの人に、そっと御神籤を手渡した。

「ねえ見て。もう少し生きられそうだよ」

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1318410713463803907




〇【リンク先に画像あり】

ドキドキ。早鐘のような心臓の鼓動がみんなに聞こえるのではないか。

モップをかけワックスを塗る。今日この体育館には近隣の学校から沢山の生徒達が集まる。保護者も。先生も。2階席はきっと埋め尽くされるだろう。

この日の為に厳しい練習を積んできた。

結果は分からない。ただ全力を尽くすだけだ。

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1318470974287695872




×【リンク先に画像あり】

「俺さあ、この間見ちゃったんだ」

「何を?」

「街灯一つない真っ暗な路地裏を歩いてたんだけどさあ」

「おう」

「突然、空から眩い光が差してさあ」

「光?」

「そう!そしたらさあ、路地の向こうの方にさあ」

「ふむ」

「空の光と同じ眩い光が…その中には人影が2つ…」

「何それ怖い。宇宙人かよ」

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1318475284346142721




×【リンク先に画像あり】

「私ね。この花が大好き」

彼女の言葉を思い出す。

「ピンクは一番好き」

特別人気がある花じゃない。

「この花みたいになりたいわ」

どんな意味か分からなかった。

「淡い色合いでいかにも儚げでしょ?」

カーテンもテーブルクロスも家の壁紙も。同じ花柄で揃えた。

今は亡き彼女の面影に会いたくて。

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1318553561010180096




〇【リンク先に画像あり】

「ブリザーブドフラワーって知ってる?」唐突な友人の質問。聞いた事もないワード。

「殆ど赤字なんでしょ?もうやめたら?」

「うん。でもね…」

彼女は女優を目指しバイトの傍ら舞台に立ち続けている。

「生花みたいに鮮やかで綺麗でしょう?ファンの方から頂いたの。だからもう少しだけ続けてみる」

twitter.com/XC8Ch6Xtwe9LRiw/status/1318759661500203008

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る