今日も転生した

出海マーチ

第1話 今日はじめて転生した

今日はじめて転生した。


頭のネジがダースで外れてる神様が言った。


「我は転生神である」

「てんせいしん だと? 」

「毎日転生できるスキルを授けよう。問答無用で転生するんだ。喜べ」

「なんだそれ? てめぇふざけてるのか」

「元気がいいな、無機物にも転生できちゃう特典もつけよう」

「おい、やめろ。おれはスローライフが森の中でスライムにクマクマ囲まれていたいんだ。ちくしょうわけわかんねえ」

「いいね、いいね。性別年齢も全部ランダムにしよう」

「せめてアイテムボックスと鑑定は固定でつけろや」

「よし、その二つは絶対なしだ。うひゃひゃ」


それだけ言われて転生することになった。




転生したら勇者だった。


目覚める直前、ド派手なネオン付き120インチ屋外ディスプレイに


「ゆうしゃ」


の文字が点滅していたから間違いない。

紙吹雪と天使が周りを舞ってたな。


気が付くと暗い部屋の中にいた。

誰もいない。

なんかすごく気が滅入ってきた。


どんよりした気分で汚い壊れかけの椅子に座ってたら一日が経ってしまった。




憂者だったようだ。

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