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 梅雨が明け、長期予報の通り日差しが焼ける様だった。

 終業式が終わると、個人の端末に通知表が届く。テストの結果も戻ってきていたので、ある程度予測出来る内容だが、それぞれ一喜一憂している。

 そんな中、夕也は目の前で項垂うなだれていた。赤点は免れたと喜んでいたが、通知表の成績は想像を上回ったようだ。

「何、アンタ、遊んでる暇なんてないんしゃないの?」

 声の方に顔を向けると、東雲さんが細く整えた眉を顰めて立っていた。隣にはこやちゃんがいる。

 あれ以来、僕らはクラスで話す事が増えた。いや、東雲さんが僕らに絡んでくるようになったと言った方がいいかもしれない。

「なんだよ。少し勉強が出来るからって。」

 夕也が顔を上げずに、ぶつくさと返す。はっきり言い返せないのは、彼女がテストで学年2位だったからだろう。

 テストの順位が電子掲示板に表示された時、クラスがざわついた。まさか、うちのクラスのギャルが学年2位になるとは誰も思わなかった。

「でも赤点ではないから、一日ぐらい大丈夫だよ。ね、早瀬くん。」

 こやちゃんがそういうと、夕也は首が捥げそうな程頷いていた。

 担任の澤田先生が、いつものぶっきらぼうな挨拶をして、教室に入ってきた。

 彼女たちは自分の席に戻っていく。

 このホームルームが終わったら、夏休みだ。

 

 夏休みを楽しみにするなんていつ以来だろう。何をしようか。今年はどんな夏になるだろうか。そんなことばかり考えていた。

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