7
梅雨が明け、長期予報の通り日差しが焼ける様だった。
終業式が終わると、個人の端末に通知表が届く。テストの結果も戻ってきていたので、ある程度予測出来る内容だが、それぞれ一喜一憂している。
そんな中、夕也は目の前で
「何、アンタ、遊んでる暇なんてないんしゃないの?」
声の方に顔を向けると、東雲さんが細く整えた眉を顰めて立っていた。隣にはこやちゃんがいる。
あれ以来、僕らはクラスで話す事が増えた。いや、東雲さんが僕らに絡んでくるようになったと言った方がいいかもしれない。
「なんだよ。少し勉強が出来るからって。」
夕也が顔を上げずに、ぶつくさと返す。はっきり言い返せないのは、彼女がテストで学年2位だったからだろう。
テストの順位が電子掲示板に表示された時、クラスが
「でも赤点ではないから、一日ぐらい大丈夫だよ。ね、早瀬くん。」
こやちゃんがそういうと、夕也は首が捥げそうな程頷いていた。
担任の澤田先生が、いつものぶっきらぼうな挨拶をして、教室に入ってきた。
彼女たちは自分の席に戻っていく。
このホームルームが終わったら、夏休みだ。
夏休みを楽しみにするなんていつ以来だろう。何をしようか。今年はどんな夏になるだろうか。そんなことばかり考えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます