第11話 馬と人間の成長率は似てる

 ダビスタの馬には【早熟】【普通】【晩成】の成長の速さが書かれている。

 いわゆる成長のピーク時期にズレが生じるのだ。

・早熟:2,3歳

・普通:3,4歳

・晩成:5歳以降

 と言った感じ。

 その馬の能力のピークを示しており、早熟はすぐに完成に近づき早々にレースで勝ち賞金を稼ぐが後から全く勝てなくなる。

 晩成は序盤全く勝てないまま下手したら一生もしないで4歳を迎え引退を強いられるが、何とか生き残るとある日を境に突然レースで勝ちまくるようになる。

 ゲームの序盤は、早熟が安定して経営難の牧場を支えてくれるため譲歩するが、しばらく進んで経営が安定してくると、早熟馬はレースで勝てなくなり維持費もかかる上、種馬としての価値も難しくなります。

 種馬にならず引退になっていきます。

 晩成馬は先ほどのリスクもありますが、なんとか一回勝てれば、賞金をある程度稼ぎ、設備も整ってくると後に重賞を狙えます。




 学生で小説家デビュー!

 おじいちゃんが小説家デビュー!

 新人賞をとって小説家になるというのに年齢は関係ありません。

 どの時代の人が目指すのも夢があります。

 ですが、私が懸念しているのは本人より出版企業の動きです。

 全部が全部がではもちろんありませんが、言い方を悪くすると作家の使い捨てが激しい時代がありました。

 これも時代の流れだと思いますが、一番は経営を考えた時に作家の使い捨ては合理的であると思います。

 結果を出して書籍化し、コンテストを受賞した作品と作家ですよと言えば、ある程度の売上見込みが出せるので決定権がある人からゴー出来るのですが、それ加えて「売れなかったら切ろう」という考えは、必ずあるはずです。

 連載という販売方法は1巻がもっとも販売台数が多く出るので正直人気タイトル意外は途中で打ち切りした方が出費が抑えられるのです。

 そして、作家を育てるという考えは現状昔の考えで、元々実力がある作品を見つけて出版しようとした方が人件費もおさえられて出費のリスクも少ないと考えられるため異世界系の書籍作品達を見ているととても合理的なお金の回し方だと思います。

 暗い話ですが、経営者の立場として考えれば、会社の人間ではない人をワンツーマンで指導して教育するのは今の現実的に考えて非効率どころではなく止めた方が良いと言えるレベルだと思います。

 私も会社の立場上いろいろな立場の人達へ指導させて頂きましたが、同じ会社でない上に今日明日だけ仕事する人達に毎回同じことを言わなきゃいけないのはメンタルきついです。自分の仕事が出来ないので会社にクレーム入れました。

 なので、編集が小説家を育てるという構図は今はもうないと言われても当然かなと思います。

 ただこのサイクルを開き直り、切り捨てまくっている企業家がいるなら、人が関わっている以上それは誰かの人生を傷つけているのですから、会社の為とはいえ容認できることではありません。

 それは直すべき風習だと思います。

 関係者ではないのに何を言ってんだって感じですね。

 忘れてください。


 ただ一つ言えるのは、会社だからと言って信用をしてはいけないということです。

 法人番号を持っている会社だからといって余裕でコンプライアンスを無視する所もあります。

 私が懸念しているのは【早熟】だった若い人です。

 学生がコンテストを受賞していざ書籍化したという名誉を勝ち取ったとする。

 そのあと小説家になるとしても学業と平行して執筆作業するのは社会人より厳しいのではと思われる。

 友人関係や学業、更に親の理解とハードルがめちゃくちゃ高い。

 連載出来たとして、その作品の旬が切れれば新しい作品を書く時間を学生時代の経験を潰して行うメリットがあるのかどうか。

 学生時代の経験って物語を作る上ではかなり重要で、主のに「学園もの」や「現代もの」を作る下地になるはずです。

 楽しかった学園行事の経験やボッチだったのなら擦れたその時の心情を描くことができる、イジメられたという記憶すら良くも悪くも貴重な時間です。

 正直前世の記憶や相当な想像力が無い限り、補うことが難しい経験だと思う。


 そして一度受賞したという慢心が必ず本人の中に芽生えること。

 成功体験を重視する人もいるが、私は失敗の経験の方が大事だと思う人間です。

 大きな成功は良いことだが、その後はどうなるのか?

 ハッピーエンドで終わらないのが現実であることもしっかり想像していればと心から願います。

 ダビスタやウマ娘はゲームだけど、自分の人生ははゲームじゃない。

 本当に一度しか無いのです。

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