初めての悪夢


 どういうわけか、石打のスキー場に向かっていた。

 夏に。

 Tシャツ短パンの薄着で。

 しかも、マングローブ的な森の中をターザンで移動して。

 僕は関東に住んでいる。石打は新潟県である。そこにマングローブはない。


 少し疲れて木の上で休憩していると、何か視線を感じた。本能で感じた。ヤバい、と。

 ライオンだ。メスのライオンが、水位の低い河に浸かってゆっくりと近づいてきていた。今思えばフィクションすぎる。せめてワニにしろ。


 ヤバいヤバいヤバいヤバい!


 水の中を急いで、じゃぶじゃぶと進む。遅い。追いつかれる。

 なんとか陸に上がり、走ろうと思った矢先。


 眼の前に、二匹目が現れた。


 夢だよな!? さすがに夢だよな!!



 と、ここで目が覚めた。

 悪夢で目が覚めたのは初めての経験だった。

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