「人生は不可逆だ」

　ドイツの数学者、ドエル・アールベルトが遺した言葉である。

　人が過去と現在を自由に行き来できると仮定したときに起こる様々な矛盾、いわゆるタイムパラドックスに対する提言だ。

　過去を変えれば、過去を変えようとした事実もなくなる。よって過去を変えることは出来ない。

　ドエルはタイムパラドックスの話を始めた教え子に、そのような説明を添えつつ言い放ち自室に戻っていったという。

　この言葉は、タイムパラドックスに対する回答としての意味だけでなく、過去を悔やみ現在を直視できていない人に向けた言葉でもある。

　我々も、変えようのない過去にしがみつくのではなく、見つめ直し未来に活かしていくことが重要なのだろう。

　因みに、お気づきだろうがこの話は普通に嘘である。

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