鮮血の教室~実録・附属池田小学校児童殺傷事件~

@zintaro666

プロローグ① 事件概要~判決文~

平成15年8月28日付、大阪地方裁判所の判決文より一部抜粋


※犠牲者の氏名は8名全て仮名としています。

※負傷者の氏名はアルファベット表記にしています(男児はアルファベット一文字、女児は〇子と表記します)。負傷者については詳細な受傷内容は省略しています。

※犠牲者の生年月日や判事・検察・弁護人の氏名など、原判決文に記載がある情報の一部は載せていません。


【被告人】

宅間守

職業・無職

昭和38年11月23日生

上記の者に対する建造物侵入、殺人、殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反、傷害、暴行、器物損壊被告事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

【主文】

被告人を死刑に処する。


【理由】

被告人は、大阪府池田市緑丘(番地略)の大阪教育大学教育学部附属池田小学校に侵入して多数の子どもたちを殺害しようと企て、平成13年6月8日午前10時過ぎごろ、出刃包丁一丁(刃体の長さ約15.8cm)及び文化包丁一丁(刃体の長さ約17.1cm)を隠し持ち、無施錠の同校自動車専用門から、同校敷地内に侵入したうえ、いずれも殺意をもって、

一.

同日午前10時10分過ぎごろ、同校南校舎一階2年南組教室において、

(1)大塚香菜(当時7歳)の腹部及び右後頚部等を上記出刃包丁で突き刺し、あるいは切りつけるなどし、よって、そのころ、同校において同児を右後頚部刺創及び右上腹部刺創に基づく右鎖骨下動脈及び右総腸骨静脈切破による失血により死亡させて殺害し、

(2)下川玲子(当時8歳)の上胸右側等を上記出刃包丁で突き刺すなどし、よって、そのころ、同校において、同児を上胸右側刺創に基づく右鎖骨下動静脈切断及び右肺刺創による失血により死亡させて殺害し、

(3)駒田裕希(当時7歳)の背部等を上記出刃包丁で突き刺し、あるいは切りつけるなどし、よって、そのころ、同校において、同児を背部刺創に基づく左肺・心刺創による失血により死亡させて殺害し、

(4)小林琴乃(当時7歳)の背部を上記出刃包丁で突き刺し、よって、同日午前10時48分ごろから10時52分ごろまでの間に、同校から大阪府池田市天神(番地略)巽病院に向けて救急搬送中の救急車内において、同児を背部刺創に基づく胸部大動脈切断及び下大静脈切断による失血により死亡させて殺害し、

(5)赤石里香(当時7歳)の左側胸部を上記出刃包丁で突き刺し、よって、同日午後0時25分ごろ、兵庫県川西市中央町(番地略)協立病院において、同児を左側胸部刺創に基づく心臓刺創による失血により死亡させて殺害し、

二.

同日午前10時15分ごろ、同校南校舎一階2年西組教室において、

(1)箸蔵真由美(当時7歳)の右背部を上記出刃包丁で突き刺し、よって、そのころ、同校において、同児を右背部刺創に基づく右肺動脈損傷による失血により死亡させて殺害し、

(2)坂本亜紀(当時7歳)の背部及び腹部等を上記出刃包丁で突き刺し、あるいは切りつけるなどし、よって、同日午前10時43分ごろから午前10時58分ごろまでの間に、同校から大阪府吹田市山田丘(番地略)大阪大学医学部附属病院救命救急センターに向けて救急搬送中の救急車内において、同児を背部刺創及び腹部刺創に基づく肝臓刺創及び右腎刺創による失血により死亡させて殺害し、

(3)A子(当時7歳)の背部を上記出刃包丁で切りつけたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に18日間の通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(4)B(当時7歳)の背部を上記出刃包丁で突き刺したが、同児がその場から逃げ出したため、同児に35日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(5)C子(当時7歳)の右側胸部を上記出刃包丁で切りつけるなどしたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に13日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(6)D子(当時7歳)の左肩等を上記出刃包丁で切りつけるなどしたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に11日間の通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(7)E(当時7歳)の左側腹部を上記出刃包丁で突き刺したが、同児がその場から逃げ出したため、同児に15日間の入院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(8)F(当時7歳)の腰背部を上記出刃包丁で切りつけたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に12日間の通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

三.

同日午前10時15分過ぎごろ、同校南校舎一階2年東組教室及びその付近において、

(1)G子(当時7歳)の右側胸部を上記出刃包丁で切りつけたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に7日間の通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(2)H子(当時8歳)の右腹部を上記出刃包丁で突き刺したが、同児がその場から逃げ出したため、同児に30日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(3)I子(当時8歳)の右側胸部等を上記出刃包丁で突き刺すなどしたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に19日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(4)J子(当時7歳)の背部を上記出刃包丁で突き刺したが、同児がその場から逃げ出したため、同児に40日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

四.

同日午前10時15分過ぎごろ、同校南校舎一階2年東組教室南側テラスにおいて、被告人を取り押さえようとした同校教諭K(当時28歳)の背部等を上記出刃包丁で突き刺すなどしたが、同人に抵抗されたため、同人に69日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

五.

(1)平塚健太(当時6歳)の右胸部を上記出刃包丁で突き刺し、よって、そのころ、同校において、同児を右胸部刺創に基づく胸大動脈、右肺動・静脈切破による失血により死亡させて殺害し、

(2)L(当時6歳)の上腹部を上記出刃包丁で突き刺すなどしたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に43日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(3)M(当時7歳)の左背部を上記出刃包丁で切りつけたが、同児がその場から逃げ出したため、同児に12日間の通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、


(4)N子(当時6歳)の背部等を上記出刃包丁で突き刺し、あるいは切りつけるなどしたが、同校教諭Oらに取り押さえられたため、同児に14日間の入通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

(5)被告人を取り押さえるべく、その背後から被告人の手を抑えるなどした上記O教諭(当時27歳)の頭部を上記出刃包丁で切りつけるなどしたが、同校副校長兼教頭Pにその出刃包丁を取り上げられたため、O教諭に11日間の通院加療を要する傷害を負わせたにとどまり、殺害の目的を遂げず、

もって8名の子どもを殺害するとともに、13名の子ども及び2名の教諭に対しても加害行為に及んだが殺害の目的を遂げなかった。

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