アクアリウム

A-1

雨は音をたて

水面に輪を描く

螺旋模様に私は迷うだろう


B-1

私の尾びれの透明な色を

貴方は撫でて褒めてくれたのだけど


S-1

星屑こぼれ落ちた 深い青に

身を任せ、静かに目を閉じれば

すべて受け入れられる 

アクアリウム


ひっそりと寄り添い合う

あたたかさに


この冷えた身をあずけられたなら

貴方と許し合えれば――


A-2

天に昇るよう流れに逆らう

一人きり、生きる術もなくて


B-2

やがて翻れば

龍にも成るだろう

貴方の元へも行けるのだろう


S-2

星屑降り注いで溶け合うように

抱かれて、切ない夢の続き

もう一度見られるなら 

アクアリウム


銀色、鋭く月明かり差して


水の底、「いかないで」と口にした

言葉は泡になって――


C

明けない夜などないように

癒えない傷などないのだろう

――アクアリウム

煌めきは、此処にあるから


S-3

星屑こぼれ落ちた 深い青に

身を任せ、静かに目を閉じれば

すべて受け入れられる 

アクアリウム


ひっそりと寄り添い合うまぼろしに

まだ、溺れてる

 

いつかの還るべきその日まで

月明かりをこの身に浴びて


何より愛しい人の夢を想う――

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