第11話
ただ、街中を二人で歩いていた。
「卓也さ~ん。まだ歩くんですか?」
「えっ。あぁ。もうすぐ着くから」
デートプランを考えていなかった俺は、慌ててスマホで『デートスポット 彼女満足』で検索し、近場のよさげな所を探していた。
「(・・・ここしかないのか)」
「卓也さん。ここなんですか?」
仕方がなかった。
自宅の近所でデートするなんて、自爆行為だ。だから、自宅から十駅以上離れた土地まで来たのに、あまり良いスポットがなかった。
結局、今いる近場にあったのは動物園。
「やっぱり、嫌だったよな。別の場所にでも行こうか」
てっきり、緩奈が嫌がると思って、別の場所を提案した。
まだ沙苗と付き合っている頃、一度だけ動物園デートを誘った事がある。
その時の沙苗は「そんな臭い所に誘わないでよ。私、女性なのよ」と俺は怒られてしまった。それから、動物園は女性を誘うよな場所ではないと思っていたのだが、緩奈は俺が思ったのとは反対に「卓也さん。私・・・動物園大好きなんです!!知ってたんですか?」と、ものすごく喜んでくれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます