49.夜道
街頭も住宅もない道がある。
普段は通らないけど、そのときは一刻も早く帰らなきゃいけない用事があって、近道になるその道を通ることにした。
月明りもない暗がりの中で目を凝らしながら歩いていると、後ろからこつ、こつ、と足音がした。
振り返るとずっと向こうにワンピース姿の女の人がいて、あぁ、びっくりして損した、私と同じように帰宅途中の人か。と思ったら、その人は血まみれの包丁を手に持っていた。
殺される! と思って私は走って家に逃げ帰った。
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