33.真夏日
日差しが強くて風がない、暑い日のことだった。
駅までの道を歩いていると人がうずくまっている。
体調が悪いのかと俺が声をかけると、
「大丈夫です、ちょっと休めば動けますから」
と返された。
その後、用事を済ませて同じ道を帰っていると、同じ人がうずくまったままでいる。傍に何人か通行人が集まっているようだが野次馬かね、けしからんやつらだ、なんて思いながらまたその人に声をかける。
「本当、大丈夫です。ちょっと休めば動けますから」
同じ言葉を繰り返していて、なんだか気味が悪い。
まぁ、本人が大丈夫っていうなら大丈夫なんだろう。
背を向けてしばらく歩くと救急車のサイレン音が聞こえてきた。
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