番外編の中に中編を突っ込む①プロローグ〜暗転ちゃんは立ち上がる

 これはタツがヒロに育児うつを無理矢理治させられた日の出来事。そしてそこに至るまで過程…

 その裏には1人の女の戦いがあった。


 1人はヒロの幼馴染の妹、悪魔に魂を売り…全てを復讐し奪う…NTRの権化とかした悪魔猫…


 そしてもう1人は、ヒロが以前愛していた女性の家に養子として入った虫が好きなだけの根暗女…


 これはその戦いの記録である。   NTR卿


―――――――――――――――――――――――


 阿修羅道場の前は死屍累々…ではないが屈強な男達が呻き倒れている。

 彼らの敗北と傷はアマテラスという圧倒的なフィジカルと洗脳の化物による心と体の破壊の跡。

 西園寺家の私兵は全てそのアマテラス・イクエさんが圧倒的な力で倒した…しかし…


 「シモ!カミ!クワガタンッ!麗羅を止めろぉぉ!!い、い、行かせるな!グフォッ!?ギギギィィ!!ヒロ兄様のいる道場には何としてもッ!いがぜるなあぁぁ!!ギャアアアアッッ!?」


 悪魔の所業、人の体液から生成する権能・異能殺し。

 覚醒した者…否、ヒロ兄様に忠誠を誓った者だけを不能にする…無能の生んだ兵器。


【ネネコ開発・アンチ根多ク素システム】搭載の地獄からの使者…悪魔の猫…


 あの…世界最強と謳われたアマテラスことイクエさんは…既にこの悪魔の猫によって失神ちていた…同じ戦場の末端にいた事はあるが、あのように…ピクリとも動かず白目になり舌を出して倒れるイクエさんの姿は前にも先にも…姉様との闘いでしか見たことが無い。


 残る最後の壁となったワラシ《私》は、姉様が用意してくれた対悪魔猫忍スーツはボロボロにされ、覚醒した異能【蟲の王】の象徴・はね…肉体強化と催眠鱗粉を出す為のその器官はむしりとられ、神経性の激痛によって血の泡が口端から滴り落ちる…


「貴女も覚醒している…つまり…ハーレムの一員って事ね。ならばあの変態女と同じ目に合わせないと気がすまないわ…」


 両手、そして膝で胴を押さえつけられ、無防備な状態で悪魔猫を象徴する6本の尾がワラシを襲う…


 2本は両鼻、トラウマの…激臭毒糞。

 2本は口、異能を失い感覚感度だけ残すアンチ根多ク素液。

 1本は尻、犬千代特性・麻酔効果と感覚鋭化の両立を果たした感度100倍浣腸。

 そして最後の一本は…


「や、やや!やべでぇーっ!いやぁっ!しょこはぁ!しょれだけはぁ!おねぎゃいぃぃ!!」


「そう、恐れなさい!怯えなさい!そして最後は私の自慢の張り型!『兄妹ならアレの形もきっと一緒デショ?ネト怒張★』喰らい…ヒロさんとウンコケシへの忠誠、絆を捨てるのよ!その時がお前等…権能・異能のクソ共の…クソハーレムの最後だ!そして…今日この日が!私がウンコケシからのNTRが成る日となる!」


 私の身体の穴という穴に刺さっている5本の尻尾から何かが注入される…ヒィッ!?私の精神が壊れる!?壊れた時…憎きネト怒張を…


 私の異能覚醒【蟲の王】はヒロ兄様に捧げた処女性の絆で成り立つ…それをヒロ兄様が最も忌むべきネト型怒張で絆を断つ…悪魔猫の恐ろしき復讐…


「いやらぁ!やめれぇ!やめ!赦してぇ!ワラシのあしょこはにぃしゃまのぉ!やめれぇ!からだぎゃあ!?ひいい!」


「悪魔猫…か…。こいび…いえ、味方とはいえ恐ろしいですわ…」


 西園寺麗羅!?シモやカミはどうした!?クワガタンは!?

 そこには麗羅の両足にしがみついてるだけの双子の姿…横には無惨にも地面に落下…最早生きては帰れないであろう姿のクワガタンがいた…


「シモォ…カミィ…あっあぁ…クワガだぁん…うわぁぁ…」


 こいつ等は…こいつはいつから…今日、この日を…ヒロ兄様が地獄君主になり子を生み悲しみに暮れる破壊の権現のタツ姉様が救う日を待ち…計画を練っていたというのか?

 悪魔猫の全てを奪うと言わんばかりにほとばしる憎しみの感情…

 歳もまだ近い彼女…その若さで何がそこまでさせるのだろうか?


 悔しい…ヒロ兄様、タツ姉様…この悪魔の…親愛なる2人の神聖な儀式に混ざり…ヒロ兄様のトラウマ…NTRを再現する計画を…私は止められなかった…ヒ…ロ…にい…





―――そうそう、一寸の虫にも五分の魂って言うけど、暗転の魂はあらゆる虫に愛される、可愛らしい魂だからな―――


 ヒロ兄様!?あぁ!いやだ!まだ終わりたくない!


―――妹か、まぁ妹だったら可愛いかもな…良し!道場に来い、妹よ!心を鍛え直してやる!私?私のメントレはもういい―――


―――暗転…辛かったな、これからはお義父さんと楽しい事を沢山しような――

―――暗転ちゃん…虫好きなのね!じゃあ皆でキャンプに行きましょう!―――

―――そうよ、私達を本当の親だと思ってね―――


―――お前が姉ちゃん何て嫌だったけど…今ならまぁ良いかな―――

―――私や妹を守ってください…暗転姉さん―――


―――私は敵が多い…もし私が滅びたら…次は暗転、お前がネタキュンシュを守るんだ―――


―――ねぇねぇ暗転ちゃん!この虫なんてーの?―――

―――暗転ちゃん!虫は良いから占いやってよー―――


 タツ姉様…お義父さん…お義母さん…シモ、カミ…イクエさん…兄様の子供達…


 棺さんが言ってた…破壊に挑んだ時に…もう駄目だと…全ての手を失ったと思った時に…新しく出来た家族の顔が浮かんで…身体が動いたって……


「ァアアアアアアアアアアッッッッッ!!!」


「∅≤≫⊕<≤≪∇∝∣!!∂∧∷∥∥∆∆∆∅!!!」


「∫ⁿφκκρψ!φε⊂∫θ∩⊂⊃∨∪⊃∬⊃ι∪∌∵!!」


 最後の力を振り絞り叫ぶ!燃やせ!魂を!!


「ハハハ!暗転、最後の断末魔か?さぁ入るぞ!?怒張が!最後までいつもの、何言ってるかわから…なっ!?アレは!?」


 力を振り絞り…悪魔猫のスーツの襟首を掴む!

 気付いたか…だが…逃さない!!


「ワラシは…か…葛、暗転…家族や大事なもの…渡さない…」



 大切な家族の為に…例え毒に塗れて身体が心が果てようとも!魂が!この手で私は家族を守る!!!


「あ、あ、魂を悪魔に売った悪魔猫!ネネコォ!喰らえぇぇッ!!」


 この日、催眠の真言やら蟲の王という異能の覚醒ではない。何故なら、私は王ではないのだから。

 私は本当の意味で、蛹から蝶に羽化した。


―――――――――――――――――――――――



※作者より、何でちゃんと連載している作品を書かないのか?仕事が忙しいと前々の話を忘れるのである。次、更新するのは岡田の可能性が高い。許すマンを頑張りたいが…近いうち…必ず…


 

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