side記者 ー 3 黒瀬月・黒瀬蘭編
【Side記者】
場違い感が半端ないです。
本日は、黒瀬芸能事務所様へお邪魔しております。
もうね……なんか知らんけど。めっちゃ良い匂いがします。
会社のビルに入った瞬間から、匂いが違うんです。
フローラル?石鹸の香り?もうわけわからんけど幸せなんよ。
「本日は取材を受けていただきありがとうございます」
目の前には今をトキメク大スターが座っております。
化粧品やお菓子メーカーのCMでは彼女たちを見ない日はないと言われるほどモデルとして、タレントとして有名なお二人、黒瀬月さんと黒瀬蘭さんにお越し頂きました。
「まずは、黒瀬月さんに質問ですが、22歳という歳で芸能プロダクションの社長になられたご気分はいかがですか?」
「ご気分はわかりませんが、責任感ある立場になった以上は、在籍してくれている子達のためにも頑張るつもりです」
「親会社として、青柳結さんがおられますが、何かアドバイスがあったのですか?」
「そうですね。好きに頑張りなさいと応援頂いたぐらいでしょうか」
「ありがとうございます」
何でしょうか?雰囲気と言うか、私の方が年上なのに圧倒される雰囲気を持ったツキさんに話すほどに固くなる気がします。
「それでは、黒瀬蘭さん。大学時代は駅伝をしていて、今はモデル業に専念されていますが?心境の変化はあったのでしょうか?」
クールビューティーのイメージがあるツキさんから目を逸らして、サバサバとした雰囲気をしているランさんに話を振ったのは、逃げではないと思う。
「そうですね。駅伝は昔から大好きで挑戦したいと大学は駅伝選手になりました。
挑戦して、選手に選ばれて、それは私の糧になっていると思っています。
大学でやりきった私は、次の目標としてモデル業で成功するにしました。
高校時代から声をかけてくれたマネージャーも一緒に移籍してくれたので、今ではモデルに集中して活躍できること目標にしています」
キラキラとした瞳で、目標を達成していく強い女性。
ツキさんもランさんも、素敵な女性ではあるが……私としては今までの取材のような面白味がない。
そこで突っ込んだ質問をしてみることにした。
「えっと、ツキさんは社長業をして忙しいと思いますが、家族と過ごす時間はあるのでしょうか?また、夜は旦那様と愛し合えているのでしょうか?」
ふふ、私の踏み込んだ質問どうですか?ちょっとぐらい恥ずかしそうな顔をしてくれてもいいんですよ。
「そうですね。家族と過ごすのは最低限です。母も交えて、月一程度で食事をするようにしています。現在は、まだまだ若いので家族を優先するよりも仕事を優先したいと思いますので……夜はまぁ普通ですね」
それまで淀みなく答えていたのに夜に関しては言い淀んだ!これはちゃんなのか?
「普通とは?」
「普通は普通です。そうですね。兄さんは……私に会うといつも髪を掻き上げてキスをしてくるんです。毎回なので、もうやめてっていうんですけど……ハァー嫌ではないんです。むしろ、兄さんが私を求めている。そう思うだけで身体は熱くなるんです」
あれ!ええええ、クールなツキ様が頬を染めて恥ずかしそうな顔を見せておられます。うわ~私これだけでご飯三杯はいける!
「ごっコホン!それではランさんにも同じ質問をさせて頂きます。ご家族と過ごすお時間と夜はいかがですか?」
「えっと、家族とは、ほとんど毎日一緒にいるよ。ツキほど私は忙しくないからね。夜は……一緒にお風呂に入って、運動をして寝るかな?」
おい!!!そういうこと聞いてないってわかるだろが!!!
「ふふ、仲が良いのですね。それでは二人で重なって寝るのですか?」
「重なって?!えっと……まぁ、そうだな。ヨルは……む~わっわたしは裸で寝るのが好きなんだ。だから、お風呂上がりはヨルが全身を拭いてくれてドライヤーで髪を乾かしてくれる。その後は全身にリップサービスしてくれて……もっもういいだろ」
ごちそうさまです!!!
もうね。想像を超えてます。
リップサービスって何よ。私、そんなリアルリップサービス聞いたことねぇよ。
言葉攻めなの?それとも直接口で肌に触れるの?もうね……ごちそうさまです!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます