第106話 彼女と過ごす日々

ブリニア王女が絶叫した後は、逃走経路として窓を開いていたこともあり、タエたちボディーガードがやってきて連行されていった。


目鼻立ちがハッキリとした美人ではあるのだが、少々手順が悪い。


それに何も知らないのに子供を産む権利といわれても承諾できない。


「俺は子供を作るための便利道具じゃない!」


なんやかんやと合宿の初日は慌ただしく終わりを迎え……昨日のうちにブリニア王女にはお帰り頂いたそうだ。

レイカが朝食の際に報告してくれ、昼頃にはレイカも仕事があるからと合宿所を離れた。


「ヨル、今回は迷惑をおかけして申し訳ありません」


別れ際にレイカは抱きつきながら謝罪を口にした。


「いや、レイカが色々と手を焼いてくれているのは分かっているから。迷惑なんて思ってないよ」


「ありがとう。ヨルにそう言ってもえて嬉しいわ。

あなたのことは私が……いえ、私たちあなたに認められた彼女たちが必ず守ってみせるわ。

もちろん、あなたが望むのであれば増えることに異存はありません。

ですが、望まぬ者は必ず排除してみせます」


東堂家の仕事を始めてから少しずつ迫力を持つようになってきていた。

それだけ仕事が大変なのか、接する人々が凄いのかはわからない。

だけど、少し頑張り過ぎる気がするから。



「えっ?」



俺はおもいっきりレイカを抱きしめた。

痛くないように……苦しくないように……最上級の愛情を込めて……



「ありがとう。でも、無理はしなくていいさ。本当に危なかったら自分の身は自分で守ってみせる。それに君たちが傷つく姿の方が俺は悲しい」


「まぁまぁまぁ」


頬を染めて嬉しそうな顔をするレイカをもう一度抱きしめてキスをする。


「それでは行って参ります」


「ああ。気をつけて」



そう言ってレイカを見送った後は、何故かツキ、テルミ、タエ、ツユちゃんがべったりと寄り添う。



「みんな……心配してくれるのは嬉しいけど。大丈夫だからね」


「ダメです。兄さん。私たちはブリニア王女の夜這いに気づけませんでした。それは兄さんを守れなかったということです」


「そうです!私は隣の部屋に居て、声を聞くまで気づくことが出来ませんでした」



タエは悔しそうに服を掴む。



「わっ私はヨル君を守ることは出来ません。ですが、ヨル君の側にいることはできます!ヨル君がしてほしいことは私がしてあげます!」


お姉さん風を吹かせながら、テルミはここぞとばかりに彼女として主張する。


「ツユもヨルの側にいる。レイカお姉様がいない今。暗部はツユが指示を出す。二度と失敗しない」



四人は今回の夜這いをそれなりに重い事件として捉えているようだ。


ランやユウナはそれぞれの合宿があるので、ここにはいないが居たら彼女たちも側にいただろうな。



「じゃあ、合宿の間は君たちと過ごすようにしようか」



キラとユタカには悪いが、カリキュラムは伝えてある。


カオル先生とツバキ先生が監視もしてくれる。

それぞれのボディーガードたちが体力アップもしてくれるだろう。



「はい」

「いいですね!」

「楽しそうです」

「過ごす」



四人は嬉しそうな顔をして返事をしてくれる。


休日にデートに行くことはあったけど。


こうしてのんびりと過ごす時間はあまり無かったので、四人とゆっくりと話をして、のんびりとした時間を過ごした。


二泊三日と言う短い時間だったけど。


彼女たちと過ごす、とても貴重な時間に思えた。


そして……合宿で一つだけ変化があった……



「テルミ」


「はっはい」



ここは誰も来ない合宿場所として貸し出された離れ……



今まで、ユウナやツキ、タエやレイカとはそういう機会があった。



だけど、ずっとテルミとはこういうことをする機会がなくて……



「二人きりだ」


「はっはい!でも、いいのですか?他のみんなは……」


「いいんだ。これを望んだのは俺だから」


「ヨル君が……私を?」


「ああ。テルミは魅力な女の子だけど。いつも誰かに席を譲って自分のことは後回しにしちゃうから。俺からテルミを選んだ」



この部屋には窓がない。


あるのはベッドと台所……そして倉庫だけだ。


音も……外からの衝撃も全てを遮断するシェルターの役目を持つ。



「今、この部屋……いや、この世界にいるのは俺とテルミだけだと思ってほしい」



ここまでしなければテルミは俺と触れ合うところまでたどりつかない。



「あわわわあわわわっわあわわっわわあ」


「テルミ!」


「はっはい!」


「俺のモノにするから。いいな?」


「はっはい!お願いします」



お願いしますと言いながら立ったまま固まって顔を隠してしまうテルミ。


イタズラ心が芽生えた俺はテルミに近づいて、耳に息を吹きかける。



「ひゃっ!なっなに?」


「良いから身を任せて」



今度は耳を舐める。



「ひゅ~!!!」



今度はくすぐったそうな声を出す。


そのまま首や腕、太ももにキスをしたときには股からあふれ出す液体が滴り落ちていた。



「十分だな」


「何がですか?」



声を震わせるテルミの服にそっと手をかける。



「脱がすよ」


「はっはい!」



テルミを刺激するように、テルミの感じるところを探しながらゆっくりと丁寧に全身を刺激していく。



「あ~~!!!もう…………ダ………メ………」



テルミが絶頂を迎えるたびに楽しくて一晩中過ごした。




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