第23話 落ちこぼれというか、こぼれ落ちそうだ
性を、満たす……?
白鳥さんが何か勘違いしていることは把握していたが、どこまで飛躍したのだろうか。
「白鳥さん、誤解があるようだが、どうしてそんな真似を?」
「え、だって、詩緒ちゃんとは性の不一致で別れたんですよね?」
成程。今思えば、大人の事情だと説明した際、白鳥さんは顔を真っ赤にしてフラフラしていた。
アレは、アダルトな内容を想像していた、ということなのだろう。
「何故そう思ったんだ?」
「だって、大人の事情って、そういうものじゃないですか」
「いや、そんなことはないと思うが……」
大人の事情イコール性事情だと思っているとは、中々にピンクな頭の中をしている。
いや、忍者としてそう教え込まれたという可能性もあるか……?
「隠さなくても大丈夫です。私、そういうことに理解ありますから!」
そう言って白鳥さんは俺の手を取り、情熱的な視線で見上げてくる。
その際に胸がふよんと波打ったのだが、その躍動感が凄まじかった。
ノーブラの破壊力、恐るべし。
「いや、本当に誤解だ。俺と柴咲さんは、別にお互いの性癖が受け入れられなかったから別れたワケじゃない」
仮にそうだったとしても、裸エプロン姿になる理由がわからないが。
「でもでも、詩緒ちゃんはその、おっぱいが小さいじゃないですか!」
「確かに平らだとは思う」
「ほら、やっぱりそうです! 男の人は基本的に大きなおっぱいが好きだって漫画にも書いてあったし、里でもそう教えられたんですよ!」
そう言ってバイーンと胸を張る白鳥さん。
ぽよんぽよんと暴力的に揺れるのでやめて欲しい。
「待ってくれ。確かに大体の男は大きなおっぱいが好きだが、だからといって小さいおっぱいが嫌いなワケではない。俺は柴咲さんのおっぱいも大好きだ」
「じゃあ、何故……? あ、ひょっとしてお尻ですか? お尻に関しても私は自信が――」
「いや、そうじゃない。本当に性的なことではないんだ」
「そんな……、じゃあ、私はどうしたら……」
おっぱいがダメならお尻で、それがダメならもうどうしていいかわからないということだろうか……
「どうもしないでくれ」
「それはダメです! 私は主様に仕える忍者なんですから!」
「忍者が主君に女の武器を使ってどうするんだ……」
「それは、だって、落ちこぼれの私では、こんなことくらいしか……」
そう言ってエプロンまで脱ごうとする白鳥さんを、ギリギリのところで食い止める。
辛うじて間に合ったが、おっぱいが
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