詩に至る病

Kyju -キユ-

霜月に

都合のいいお願いです

実感も沸かずに数をかぞえて

  かぞえた先にあるものを見ようともせず

  かぞえた先にあるものが怖くて

  かぞえた先にあるものについて考えることをやめていた


私はどこにも行けず

あなたは先へ行ってしまう


何も言えずに ただ思い出すだけです

世界が美しくて

見ているだけで泣きそうで


都合のいいお願いです

どうか、どうか

――かみさま

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