絶対に彼氏を取り返す
福原花蓮に指の骨をたくさん折られた日から三日後。私、日高真衣はようやく心に落ち着きを取り戻した。
あのあと、両親や病院の人たちからは誰にやられたのかと聞かれたりしたけど、私はそれに応えられなかった。だって、それを言えばあいつは本気で私のことを殺しにくる、そう確信していたから。
思い返してみればあの日、夏樹と私が襲われた日もあいつがした行為は残虐極まりないものだった。容赦無く私の腕を刃物で刺したり、夏樹のアレを無慈悲にスパーンと切り落とすあいつの姿は……本当に、常軌を逸していた。
そりゃ、浮気したことは悪いことかもしれないけどさ。あいつが明彦にチクらなければ私と明彦はずっと幸せに入られたわけじゃん。性欲は夏樹で解消して、高校生の青春らしい恋愛は明彦とするって、ちゃんと切り分けてたし。
きっと明彦はあいつに私が浮気をしたって情報を聞いて、それを信じちゃってるだけ。浮気現場を見たわけでもないだろうし、まだ浮気したことを嘘だって貫き通せるかもしれない。
「……このまま、終わってたまるもんか」
福原花蓮にこのままやられっぱなしなんてイヤ。性欲を解消していた夏樹はあれが取れたからもういらない。あいつはそれくらいしか取り柄がないから、あれがなくなったらもういいところなんてないし。
だから、絶対明彦を取り戻す。ビッチとか言われたけど、そんなの嘘なんだよ、福原花蓮が私を貶めるための嘘で、全てあいつが悪いのって絶対信じさせてやる。そしたら私をまだまだいたぶるき満々な花蓮も、大好きな明彦取られたショックで立ち直れなくなっちゃうはず。
そうだ、明彦の童貞もらっちゃおう! そしたらもう花蓮は絶望して私にごめんなさいをしてくれるはず! ウンウン、それがいいや。そうと決まったら、まずは退院するために栄養をしっかりと取ろう。あー楽しみだな、花蓮が絶望する顔!
一方その頃。
「……なぁ花蓮。昨日たまたま商店街のくじ引いたら温泉旅行が当たってさ。これ、ペアチケットだから……そ、その」
「ええ、いいですよ。行きましょう。あ、ちゃんとアレも買っておきましょうか」
「……だな」
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