チープ。
「タクトも呼ばれたの?」
会場に入った僕は、さっそくタクトの元に行く。やっぱり知ってる人のところが一番楽だよね。
「ああ、カルボルトさんとかセルクさんが是非にって」
旅団の良心筆頭じゃん。僕なんて旅団の問題児筆頭のライキティさんに呼ばれてるのに。
でも、肝心のご本人様達はいらっしゃらない様子だ。どうしたのだろうか?
「なんか、お前が流しまくったデザリアを、良い機会だか相当数確保するんだってさ。値崩れしてる内に確保して、お安く旅団の戦力を微増するらしい。今その予算を捻出中で、その関係で色々あるから少し遅れるってセルクさんが言ってたぞ」
「そうなんだ。先に始めちゃって良いのかな?」
「良いんじゃないか? と言うか、これ一次会らしくて、二次会からは幹部さんとかが計画したちゃんとした壮行会になるんだとさ」
ああ、そう言うアレなのか。
なら遠慮は要らないと、僕は新人さんに挨拶をしながら混ざって、テーブルのお菓子を頂く。
お高い料理も当然嬉しいけど、僕ら孤児はお菓子だってマトモに食べられなかったから、これはコレで嬉しいのだ。
縁がなかったから、知らないパッケージばかり。コレは何だろう? リピートスナック?
「ああ、それは中に五パーの確率で当たりクジが入ってる菓子だぜ。クレイジーボーイはこう言うの知らないのか?」
「ええ、孤児には縁遠かった物でして。…………それよりクレイジーボーイは止めません?」
僕が不思議そうな顔でお菓子のパッケージを持ってると、新人さんが教えてくれた。でもそのアダ名は止めてくれ。
「いや、アレどう見てもクレイジーボーイだったろ。高笑いしながら長距離狙撃して夥しい数の獲物を積み上げて…………。ああ、ちなみに俺はダングに乗ってた奴だぞ。現場でクレイジー具合を見てた」
「ああ、現場で一緒だったんですね!」
アンシーク乗りには挨拶したんだけど、ダングのパイロットは降りて来なくて声しか知らなかったんだ。そう言えば通信で聞いた声だ。
「クレイジーボーイが嫌だったら、
「…………うぇぇ、全部嫌だぁ」
「まぁ、お前のお陰で俺も乗機貰えそうだから、感謝はしてるんだぜ?」
此処の新人さん達は、免許有るけど機体が無いって集まりらしい。と言うか機体を持ってて新人扱いされ続けるのは問題らしい。
今回彼らがダングやアンシークに乗って来たのは、旅団が所有する機体をレンタルしただけで、自分の機体は持って無いんだそうだ。
「依頼で鹵獲した機体もそうですけど、今はデザリアの値段が崩壊してますからね! お安く買い放題ですよ!」
「今は一四○万まで下がってるらしいぞ。大暴落だな」
「僕が旅団に依頼した皆さんのレンタル代じゃ無いですか」
二五○万シギルの機体が、今や一四○万シギルか。あれ? アンシークより安いのでは?
確かアンシークって一五○万から一八○万シギルじゃなかった?
セルバスさんも安くなったデザリアに乗るのかな。この五日は忙しくてアルバリオ家の仕事して無いけど、順調ならポポナさんもセルバスさんも輸送機免許は取れてるはずだ。
「じゃぁ、これからは同じデザリア乗りですね!」
「こっちはオリジンじゃ無いけどな。デザリア乗りの先輩として頼むぜ、クレイジーボーイ」
「だからクレイジーボーイは止めてよ…………」
お話しを聞きながら、手に持ったパッケージをパンッ! って開けて、リピートスナックとやらを食べてみる。ふむ、美味しい。
これは、なんだ? 甘め? 塩っぱい? 不思議な味がする。
「あ、スピカはそれ何食べてるの?」
「ふやっ!? え、これですか? えと、キャベツボーイってスナックですね。強めの味付けで、美味しいですよ」
キャベツボーイ。ふむ、クレイジーボーイとか呼ばれてる僕が食べても良いボーイ? と言うか何がキャベツなのだろうか? 普通のスナック菓子に見えるが……。
食べてみる。まぁ強い。ハッキリと塩っぱい系の味で、だけど食べ易い。
「美味しいね。サクサク行ける」
「ね。なんか、チープな味? 私達に合ってる感じするね」
「あー分かる。孤児にはコレでええやろ感が凄いあるんだけど、体がそれに納得しちゃう」
「おいスピカ、ラディア、笑いずれぇ話しでニコニコしてんじゃねぇよ。周りの傭兵さん達が気まずそうな顔してるだろうが」
「いや、そうは言ってもさ? ほら、タクトも食べてみなよ」
-サクッ。
「………………あぁぁぁぁ分かるぅぅ。これは俺ら向けのチープさだぁぁ」
「でっしょ?」
タクトが即落ちした。二コマも要らんかったな。
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